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オススメ見逃しドラマ(上) 年末年始に備えて その3

Japan In-depth / 2023年12月20日 13時3分

まずは『踊る大捜査線』。


社会現象にまでなったヒット作であるから、ご存じの向きも多いと思われるが、来年、新作映画がクランクインすることが決定した(公開は2025年の予定)と報じられたので、今あらためて見返すのも悪くないと思う。


1997年の1月から3月まで、月9ではなく「火曜9時」のドラマ枠で放送された。


東京・お台場が舞台だが、今やタワマンなど高層建築が林立している域を管轄している湾岸署が、周囲から「空き地署」などと揶揄されたり、織田裕二演じる主人公の青島巡査部長が、初登場のシーンで、


「都知事と同じ名字の青島です」


 などと自己紹介するのは、平成生まれには笑えない(首をかしげるだけ)かも知れない。


 いずれにせよこのドラマがヒットしたおかげで、当の織田裕二には「湾岸署の青島」というイメージがついてしまい、当人はそのことをよく思っていなかったと聞く。そのせいで、続編の企画は幾度も持ち上がっては主演を拒否される羽目になっていたとも。


 気持ちは分からないでもないが、このドラマにはまった者として言わせてもらえば、熱血漢で正義漢だがおっちょこちょい、というキャラ設定は、織田裕二という俳優のためになされたものではないかとさえ思える。


 たとえば、黒澤明監督の『椿三十郎』が彼の主演でリメイクされたのだが(2007年)、これなどは、オリジナルの脚本をなぞっているにも関わらず。彼の芝居のせいで、


「湾岸署の青島刑事が江戸時代にタイムスリップし、お家騒動に首を突っ込む羽目になる」


 という設定の映画だと言われても、信じてしまいそうな出来であった。木村拓哉について、


「どんな役柄を演じてもキムタクでしかない」


 とは、前々から言われていることであるが、織田裕二の場合は、どう転んでも湾岸署の青島と二重写しに見えてしまうのだ。


 これは決して彼をけなしているのではなく、主演俳優の資質と、脚本・演出がこの上もなくマッチしたドラマで、だからこそ社会現象となるまでにヒットしたのだと、私は考える。


 このあたりのことについては、拙著『邦画の正しいミカタ』(アドレナライズより配信中)の中で論じたので、ご用とお急ぎでなければ参照していただきたい。


 脇を固める面々も素晴らしかった。


方面本部長の息子で、警部補からスタートするエリートながら、青島からは後輩扱いされ、パシリまでさせられる真下正義をユースケ・サンタマリア。過去ストーカーに襲われて負傷したトラウマを抱える、窃盗犯係の恩田すみれを深津絵里。出世に興味を示さず現場主義に徹するベテラン刑事の和久平八郎をいかりや長介。そして、事件に巻き込まれて一時は声まで失ってしまうが、やがて湾岸署の面々に感化され婦人警官を目指す柏木雪乃を水野美紀。


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