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保守主義の拡大とリベラリズムの後退【2024年を占う!】国際情勢

Japan In-depth / 2023年12月21日 7時0分

▲写真 週末をデラウェア州ウィルミントンで過ごし、ホワイトハウスに戻ったジョー・バイデン米国大統領(2023年12月19日ワシントン DC )出典:Drew Angerer/Getty Images





トランプ前大統領はこの事態に対して「私の大統領時代の4年間には世界で新たな戦争は一つも起きなかった」と豪語する。確かにトランプ政権は軍事力の増強に精力を注いだ。一方、バイデン政権は民主党リベラル派からの国防費削減の強固な要求に押されて、軍事力軽視の言動をとる。さらにさかのぼれば、軍事侵略に対して、「まず対話を」とするリベラリズムと、「軍事的な対応を排さない」とする保守主義と、歴史的な政治理念の相違が浮かびあがる。





アメリカでは国内問題でもバイデン政権のリベラル的な不法入国者への寛容な政策は2023年末には破綻した。バイデン大統領は中南米から大挙する不法入国者をこの3年間に1000万人ともされるほどアメリカ国内に入れてしまい、あまりの混乱についにトランプ前政権が大幅に推進し、バイデン政権が停止させた「メキシコの壁」の建設の再開を命じてしまったのだ。不法入国にはあくまで寛容にというリベラリズムの失態、自国の保護を優先する保守主義の勝利だといえよう。





この保守の伸張、リベラルの後退という現象はアメリカ以外の国々でも2024年には顕著となるだろう。2023年12月には南米のアルゼンチンで超保守派とされたバビエル・ミレイ氏が新大統領となった。自国の利益を対外政策の中心に掲げるミレイ氏は「アルゼンチンのトランプ」とも呼ばれ、国際協調よりもアルゼンチンの主権を優先させるような政策を打ち出している。





オランダでも反EU、反移民、自国の主権最優先という自由党が11月の総選挙で躍進し、党首のヘルト・ウィルダース氏が首相にもなりそうな状況が生まれた。イタリアで2022年10月に首相に就任したジョルジャ・メローニ女史も明確な保守派で、自国の主権や国益の優先論者だった。





これらアルゼンチン、オランダ、イタリアの保守派政治指導者たちはみなリベラル傾斜のメディアなどからは「極右」というレッテルを貼られていた。だがそれぞれの国でみな国民多数派の信任を得た。「極」ではないことが民主的な選挙で証明されたのだ。これら指導者はみな保守主義なのである。この政治思潮が新年の世界では輪を広げるという展望が確実なのである。





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