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報道の信頼を取り戻す年になる【2024年を占う!】メディア:テレビ

Japan In-depth / 2023年12月30日 18時0分

報道の信頼を取り戻す年になる【2024年を占う!】メディア:テレビ




安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)





【まとめ】





・旧ジャニーズ事務所の性加害問題を、テレビは過去報じてこなかった。





・「マスメディアの沈黙」に対し、テレビ局は十分な検証と再発防止策を示していない。





・このままやりすごせば、毀損したテレビ局報道の信頼は回復できないだろう。





 





2023年はスキャンダルまみれの年だった。





旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.)の性加害問題に始まり、ビッグモーター自動車保険金不正請求問題、日本大学アメフト部の違法薬物問題、宝塚歌劇団いじめ・パワハラによる自殺疑惑。極めつけは自民党安倍派の裏金疑惑など。いつもテレビで誰かが謝罪している映像を見せられ、国民はうんざりを通り越して、あきらめの境地だろう。





2023年の一連のスキャンダルの中でテレビ業界を最も揺さぶったのはやはりジャニーズ問題だと思う。なぜならこの問題ほど社会的にテレビの責任を問うたものはないからだ。





最初にジャニー喜多川氏の性加害問題を取り上げたのは英国BBC(「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」)だった。日本のテレビはこの問題を長年無視し続けてきたが、初めて大々的に取り上げドキュメンタリーにしたのは海外のテレビ局だった。





2023年8月29日に発表された、外部専門委員による再発防止チーム「特別報告書」は、「マスメディアの沈黙」により、ジャニー喜多川氏の性加害が継続され、さらに多くの被害者を出すことになった、と断じた。





なぜこれまでこの問題はメディアで大きく報道されてこなかったのか?多くの人が疑問に思っただろう。





これに対し、各テレビ局は2023年11月までに検証番組を放送した。





NHKは9月、クローズアップ現代「“ジャニーズ性加害”とメディア 被害にどう向き合うのか」で取り上げた。番組の中で、元民放プロデューサー吉野嘉高氏は、「ジャニーズは触れないということですよ。触ると大ごとになる可能性があるから、やり過ごしたほうがいいということが最初に言われたし、CMに出ているタレントさんも多いですから営業とかスポンサーさんとかジャニーズ関連のものはすべてアンタッチャブルにしていくと。(以下略)」と語った。吉野氏は元フジテレビ報道局社会部などに所属、現在は大学で教鞭をとっている。





また、元NHK 歌謡・演芸番組部長大鹿文明氏は番組の中で、「事務所との交渉を少し慎重にやろうねとかっていうことが一切なかったですね。(部内では)重大に捉えていなかった。そこに尽きるでしょうね。未成年に対して許せないことをやっていたという意識は薄かった(以下略)」と述べている。





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