個人消費は伸びず【2024年を占う!】国内景気
Japan In-depth / 2024年1月2日 11時0分
かつ、外食そのものが減った。リモートワークが当たり前になり、オフィスに行かない人も増えている中、仕事帰りに一杯、という慣習は過去のものとなった。そもそも社会の空気が変わり、部下や同僚に「飲みに行かない?」と誘いづらくなったことも相まって、こちらももう元には戻らないだろう。外資系金融の社員も、「交際費を使うような飲食は以前と比べて大幅に減った」という。
外食が減った代わりに、中食、内食の需要が高まった。中食では、UberEatsなどのフードディリバリーが急速に広まり、内食では生協の牙城にオイシックスなどがミールキットをひっさげ参入、こちらも新たな需要を切り開いた。毎食メニューを考えるのは面倒くさいものだが、その手間を省き、事前に選んだメニューを毎週配達してくれるサービスが受けた。
同時にコロナ禍3年間で、タイパ、節約志向が一層強まる中、コンビニの健闘が顕著だ。特に冷凍食品などいわゆる「冷食」の伸びがすごい。
セブンイレブンの冷凍食品は、販売金額ベースで、2023年度上期は2019年上期比で約1.5倍となった。コンビニの冷凍食品の開発力はすさまじく、新製品が次から次と投入される。最初はチャーハンやパスタがメインだったが、最近は、カレーに始まりお好み焼きやラーメンまである。単価が若干高くても、冷凍庫に入れておけば時間の無いときすぐに電子レンジで温めて食べる事ができるのは、究極の時短になる。売れている理由には商品のクオリティ向上もあるだろう。冷凍食品の味は大きく進化している。大げさではなく、言わなければ冷凍食品とは分からないレベルだ。
ファミレス業界も冷凍食品に力を入れている。ロイヤルはフローズンミール「ロイヤルデリ」が好調だ。2020年から3年間で売り上げは3倍になった。最近ではコインパーキングに自販機を置くなど、マーケティングにも力をいれている。これら冷凍食品は、ミールキットよりさらに時短になることに加え、ちょっと贅沢気分も味わえるとあって消費者のニーズにマッチしたものと思われる。
■ 自動車業界 トヨタは好調だが・・・
自動車産業では、トヨタが一人勝ちの様相を呈している。2023年4〜9月のグループ決算は過去最高益となり、2023年度の業績見通しは、営業収益が38兆円を43兆円に、営業利益をこれまでの3兆円を4兆5000億円にそれぞれ上方修正するなど絶好調だ。
EVの量販車を持っていなくても、プリウスなどHV・PHVが売れているから問題ないということが明らかになった。ここ数年、あれほどEV投入が遅れている、と市場から叩かれまくったが、結果はこの通り。EVを急いで市場に投入しなくて良かった、と経営陣はほくそ笑んでいるに違いない。
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