激変するグローバルパワーバランス Part1「どうなる中国!」Japan In-depth創刊10周年記念対談 ジャーナリスト古森義久
Japan In-depth / 2024年1月3日 14時49分
安倍: そういう意識は浸透してきているとは思いますね。
古森: 岸田政権にとって、対中認識を改めて現実的にするための非常にいい機会です。
・米抑止力の弱体化
安倍: 古森さんに一番聞きたいのは、習近平が台湾を取りに来るかもしれないということ。なぜか?アメリカはアジア方面が手薄になってきています。そこを狙うんじゃないかと。
古森: すぐに習近平主席が台湾を攻めると決めるかどうかというと、問題が色々あって中国側もそう簡単にはいかない。アメリカの抑止力が減って危険になってきた。その影響がアジアにもあるとアメリカの識者も思っています。例えば日本でも人気のある「ウォルター・ラッセル・ミード」というウォールストリートジャーナルに書いてる戦略家が最近書いたのは抑止力のない世界の危険。アメリカの抑止力が減っちゃった。だからウクライナでロシアが出てきた。中東でもハマスが出てきた。
中国は、台湾情勢を考える時アメリカが抑止をどのくらい機能させるか、じーっと見ている。決定的な要因ですから。もう少し分かりやすい実例は、中東危機でイスラエルを支援するためにバイデン大統領はイスラエルに行った。また航空母艦を主体とする機動艦隊を二つ。最初にロナルドレーガンが行った横須賀を母港としてる東アジア・西太平洋で普段最大の目的は中国に対する抑止だったのが、中東に行っちゃった。日本のあたりが手薄になるという、客観的に見ればそういうこと。
アメリカに反対する側がバイデン政権下におけるアメリカの軍事抑止は弱くなったことを見てることは間違いない。
中東諸国でイスラエルの存在を認める国が圧倒的多数になってしまった。残されたのはイラン。イスラエル抹消と言うことを国是に掲げている。ハマスもイスラエル抹消。彼らはアメリカの動きを警戒している。
中国問題・台湾問題に関してもバイデン政権は国防予算を減らしている。中距離の核を運べる潜水艦発射の巡航ミサイル開発、バイデン政権はそれを辞めちゃった。
ウクライナをロシアが攻めるって前もって分かっていたのにバイデンさんは早い時期にアメリカは軍事的対応をしないと言った。そういう体質を今のバイデン政権は持っている。
・中国不動産不況 習近平が向かう先は?
安倍: 現状を軍事力を使ってでも変えようと思っている人たちにとっては、取り組みやすいというわけですね。そういう意味において習近平が、アメリカ与しやすしと考えて台湾にアプローチをしてもアメリカは軍事的なアプローチを取らないんじゃないか?思ってもおかしくないですね。もう一つ、中国は今経済が弱っている問題があります。中国が「台湾の方に向くかも」しれませんね。
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