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「AI人民解放軍」の本当の脅威 続【2024年を占う!】その3

Japan In-depth / 2024年1月16日 18時0分

この映画のストーリーはこうだ。





大のパソコン好きで、しかもハッキングなどの能力に長けた男子高校生がいた。





教務主任のパソコンに侵入して自分の成績をCからAに改竄したり、無料で電話をかけまくっているうちはよかったが(本当はよくありません。よい子は真似をしないように笑)、ある日たまたま「世界全面核戦争」というゲームソフトを発見し、深く考えることもなく、無課金でダウンロードしてしまう。





実はこれ、本人がゲームソフトだと思い込んでいただけで、実は米軍の核ミサイル管制ソフトだったのである。





嬉々としてゲームを始めたその高校生(役名はデヴィッド)だったが、彼のパソコン上で進行するゲームは、そのままNORAD(米航空宇宙防衛司令部)のスクリーンに投影される。つまり、核戦争が現実のものとなる一歩手前まで行ったのだ。





デヴィッドが、母親にゴミ出しを命じられたことでゲームが中断し、すんでのところで核戦争が回避されたが、これにて一件落着とはならず……これ以上はネタバレになるので、見てのお楽しみに。





この映画が公開された直後から、





「本当にこういうことは起きないのか」





といった問い合わせが、国防総省など政府・軍の関係機関に殺到したという。これを受けて、前述のNORADの広報担当官がコメントを発表した。





本部のコンピューターに対するハッキングなど不可能である。コンピューターが算出したデータは、必ず人間がダブルチェックしている



だから大丈夫だ、という主旨であったが、その後コンピューターがAIへと進化し、今やこのコメントが説得力を持つとは言い難い。





まず①について述べると、ハッキングどころかAI自体が暴走したらどうなるのか。これは『2001年宇宙の旅』(公開は1968年)という映画を見た方ならば、私がなにを案じているか、容易にご理解いただけよう。





次に②の問題だが、こちらについては、むしろヒューマン・エラーが心配される。





1995年に公開された『クリムゾン・タイド』という映画をご覧になるとよい。





ロシアの反政府勢力がシベリアの核ミサイル基地を占拠した、との事態を受けて、米海軍のミサイル原子力潜水艦「アラバマ」が出撃。





艦長は、たたき上げで好戦的な白人(ジーン・ハックマン)。新任の副長は、ハーバード大学卒で、アフリカ系のインテリ(デンゼル・ワシントン)というキャスティング。





出撃から6日目、北太平洋にあった「アラバマ」に、無電が届いた。反乱軍が核ミサイルに燃料注入を開始。発射を阻止すべく先制攻撃を加えよという指令であったが、発射準備に取りかかった矢先、反乱軍に加担する攻撃型潜水艦が魚雷攻撃を加えてきたのである。





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