令和6年能登半島地震後の輪島市・福祉避難所の状況 ~東日本大震災を経験し、支援者側の立場から見えた現場の実態~
Japan In-depth / 2024年1月28日 11時0分
阿部暁樹(福島県立医科大学 放射線健康管理学講座 講座等研究員・理学療法士)
【まとめ】
・阿部氏は東日本大震災による避難生活の経験から、理学療法士として災害支援に携わっている。
・現場では避難者への対応が間に合っておらず、支援者も職種に捉われない動きが求められる。
・支援者の中には東日本の支援を経験した人もおり、人同士の縁が復興につながると実感した。
私は、日頃福島県立医科大学で、東日本大震災後の避難に伴う二次的な健康影響に関する研究や、避難対象地域に指定された住民の方々に健康セミナーなどを行なっている研究員兼理学療法士です。
なぜ理学療法士として災害に関わる業務に携わっているのかというと、私の地元である福島県相馬市原釜区は、13年前に起きた東日本大震災によって被害にあった区域であり、私自身も1,2ヶ月ほど避難生活をしていた経験があるためです。当時の経験から、「災害時に被災した人の役に立てる仕事をしたい」という想いが芽生え、現在に至ります。
つい先日、2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」を受け、私は1月9日から5日間、能登半島の輪島市へ被災地支援に入りました。そのきっかけは、私の職場の所属長である坪倉教授を通じて、元々繋がりのあるオレンジホームケアクリニックの紅谷浩之先生より支援要請を受けたためです。
私たちのチームは、医療従事者を中心に3名(看護師1名・理学療法士1名・事務員1名)の構成で、佐賀県にある「医療法人ロコメディカル 江口病院」江口有一郎医師をはじめとした4名の方々(医師1名・看護師2名・理学療法士1名)とともに輪島市へ入りました。
参加したメンバーの多くは被災地支援未経験者でしたが、「どのように力になれるかはわからないが、何か少しでも現場の役に立ちたい」という想いで集いました。
支援先は、石川県輪島市にある「海と空」というグループホームです。災害が発生した後は、福祉避難所として地域住民を受け入れていました。福祉避難所とは、主に要配慮者(高齢者、障害者、乳幼児やその他の特に配慮を要する者)を滞在させることが可能な避難所のことです(1)。
私たちのチームが現地入りした1月9日には、平時に海と空を利用している方とその家族を含めた10名を含め、すでに30,40人程度の避難者で溢れていました(2)。避難者の年齢層は10代未満から100歳以上まで幅広く、身の回りの生活に人の手が必要な方がほとんどです。
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