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ボストン・ウェルネス通信 その4 大人気の肥満症治療薬、パーキンソン病やアルツハイマー病にも効果あり!

Japan In-depth / 2024年2月12日 17時0分

そんなオゼンピックやウゴービが、減量や2型糖尿病以外にも効果がある可能性がわかってきました。





● 心臓病、認知症、アルツハイマー病やパーキンソン病、1型糖尿病・・・などにも効果あり!?





まず、肥満や過体重の人(2型糖尿病ではない)が、ウゴービで3年以上治療すると、心臓発作、脳卒中、または心血管疾患による死亡のリスクが20%減るという報告。これはボストン・ウェルネス通信その1でご紹介しました(2)。





また、デンマークの研究者らは、2022年の論文に、2型糖尿病患者を5年間追跡した結果、GLP-1受容体作動薬のセマグルチドまたはリラグルチドを使用している人は、認知症の発生率が低いことを示しました。2型糖尿病は、血管性認知症と深く関係しており、そのため、セマグルチドは、血管性認知症のリスクを減らします(3)。





さらに、セマグルチドが、脳などの炎症を減らし、アルツハイマー病やパーキンソン病の治療になるという期待が高まっています。





2023年の「The Conversation」(4)に、オックスフォード大学の研究者らは、次のように述べます。





アルツハイマー病患者の脳には、脳細胞内にタウタンパク質の塊や、アミロイドベータの粘着性プラークが蓄積します。これらは認知を妨げるものと考えられています。オックスフォード大学では、アミロイドベータ濃度が高いが認知症を(まだ)発症していない人のタウ濃度を特に調べる臨床試験が進行中です(5)。 セマグルチドがタウレベルを減らして、認知機能低下率の低下につながることを期待しています。





米国立老化研究所(NIA)の研究者らの報告(6)には、パーキンソン病とアルツハイマー病の治療薬としてGLP-1受容体作動薬を検討している20以上もの臨床試験がリストアップされています(7)。





そして、米バッファロー大学の研究者らによる、昨年のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)の小規模な研究報告(8)は驚くべき結果でした。新たに診断(過去3~6か月以内)された10人の1型糖尿病患者をセマグルチドで治療すると、インスリン投与がほとんど、あるいは全く必要としなくなったのです。参加者の診断時の平均HbA1cレベル(90日間の平均血糖値)は11.7で、米糖尿病協会のHbA1c推奨値である7以下をはるかに上回っていました。ところが治療開始後、患者の平均HbA1cは6ヶ月で 5.9、12ヶ月で5.7にまで低下しました。





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