ボストン・ウェルネス通信 その4 大人気の肥満症治療薬、パーキンソン病やアルツハイマー病にも効果あり!
Japan In-depth / 2024年2月12日 17時0分
研究著者は、この研究結果が長期間に追跡した大規模な研究で実証されれば、「1921年のインスリン発見以来、1型糖尿病の治療において最も劇的な変化となる可能性がある」と述べています(9)。
また、ノボ ノルディスク社は、非アルコール性脂肪肝疾患による肝繊維化におけるセマグルチドの効果を調査するため、カリフォルニア大学サンディエゴ NAFLD 研究センターの臨床試験に957 万ドルの助成金を授与しました(10)(11)。
その他、セマグルチドが薬物乱用障害を治療となる可能性(セマグルチドを服用している人々を対象とした小規模なケーススタディでは、アルコール依存症の症状が大幅に軽減りました)、不妊症の主な原因の1つである多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療になる可能性、いくつかの試験では老化に効果をもたらすかどうかも調べています(12)(13)。
ただし米国では、オゼンピックやウゴービは、前述のように品切れが頻発しており、誰もが使用できる薬ではありません。この状況、新型コロナのワクチンの接種が始まった頃を彷彿させます。
● 肥満症の治療薬で、広まる健康格差
2023年8月のニューヨークタイムズによると、新しい2型糖尿病や肥満症治療薬の処方箋は、ニューヨーク市内のより裕福で白人が多く健康的な地域に集中しています(14)。
アッパー・イースト・サイドは、ニューヨーク市内で最も裕福で最も健康的、平均寿命が最も長く、糖尿病と肥満率が最も低い地域の一つです。 現在、近隣の住民はさらにスリムになっています。
トリリアント・ヘルス社の調査によると、昨年、アッパー・イースト・サイドからグラマシー・パークまで広がるマンハッタン沿いに住む約2.3%の人々が、オゼンピックなどを使用していました。対照的に、糖尿病と肥満がはるかに蔓延しているブルックリンの一部の地域では、これらの薬の使用率はマンハッタンの裕福な地域の半分強にすぎませんでした。
同紙は、「これらの薬は、人種や階級によって生じる健康格差を軽減することが期待されています。 しかし今のところ、これらの薬へのアクセス自体が格差になりつつある」「新しい治療法を最初に恩恵を受けるのは、所得が高く、一流の健康保険に加入していたり、優秀な医師に簡単にアクセスできる人が多い。近年では、新型コロナのワクチンの最初の数ヶ月間や、H.I.V.感染予防のPrEP処方で、そのようなパターンが見られた」と指摘します。
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