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ボストン・ウェルネス通信 その4 大人気の肥満症治療薬、パーキンソン病やアルツハイマー病にも効果あり!

Japan In-depth / 2024年2月12日 17時0分

トリリアント・ヘルス社の分析によると、マイノリティの多い地域では、これらの薬は主に糖尿病の患者に投与されています。市内で最も貧しい地域のいくつかを取り囲むサウス・ブロンクスでは、これらの薬物療法を受けている人々の約73%が糖尿病を患っていました。ところが、市内の裕福な地区では、糖尿病患者は3分の1以下でした。そのような地域では、これらの薬は主として減量のために処方されています。マンハッタンのイーストサイドでは、2型糖尿病の既往歴のある人への処方は27%以下でした。





● 深刻なウゴービ不足





2022年3月以来、オゼンピックとウゴービは、食品医薬品局の医薬品不足リストに掲載されています(15)。ウゴービ治療開始後、品切れのため治療を中止せざるを得ず、体重がリバウンドしたとう話もあります。さらに、供給が追いつかないほど需要が高まっている中、ノボ・ノルディスク社は、新しい患者の投与開始を制限しています(16)。





そのため、ウゴービを希望した人の中には、減量目的でオゼンピックを適応外処方され、糖尿病患者は薬を入手できなくなった人もいました。そんな中、米ニュースによると、ノボ ノルディスクは2024年1月31日、ウゴービの最低用量の供給量を増量したと発表しました(17)。これにより米国でより多くの人がこの薬の服用を開始できるようになるかもしれません。





さて、日本では、ウゴービ処方可能な医療機関は、肥満症治療に関連する学会(日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会)の専門医が常勤している教育研修病院に限られ、一般的なクリニックや診療所では処方出来ない見込みです。ちなみに米国では、医師、ナース・プラクティショナー(上級の看護職)、フィジシャン・アシスタント(医師助手)が処方できます。





また厚労省によると、日本では、ウゴービが利用できる人は(18):





「肥満症ただし、高血圧、脂質異常症又は2 型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。





・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する





・BMIが35kg/m2以上





とされています。





日本は、米国よりもウゴービの適応となる患者が少なく、処方可能機関が限定されているので、すぐには米国のような品切れ状態にはならないかもしれません。ただし、ウゴービは、上記のようなさまざまな疾患の効果が期待されており、今後、別の疾患への承認が広がる可能性があります。それまでに、さらに供給量が増えることを期待します。





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