米、試される最高裁の権威
Japan In-depth / 2024年2月14日 11時0分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2024#07
2024年2月12-18日
【まとめ】
・トランプ氏「大統領免責」を主張する裁判でDC控訴審は訴えを認めなかった。
・トランプ弁護団は上告を決めた。
・保守系判事多数の最高裁でも、「大統領は未来永劫免責」等という主張は認めがたい。
世界各地で政治が大きく動いているというのに、今週日本では「政治とカネ」等に関する衆議院予算委員会集中審議を始め、「政局に発展しかねない状況」が続いている、かのように日本のメディアは報じている。本当なのかね?あの国会審議の「揚げ足取り」質問と「のらりくらり」答弁は今も全く変わらないではないか。
うーん、こんなことばかりしてて良いのかね?本当は岸田首相にもっと外交をやってもらいたいのだが・・・。それはともかく、久し振りで今回は、先週から今週にかけて起きた興味深いニュースについてのコメントから始めよう。今週は14日にインドネシアの大統領選挙という重要イベントがあるが、これについては来週コメントする。
◾️トランプ関連裁判と連邦議会の混乱
トランプ氏が「大統領免責」を主張する裁判でDC控訴審は訴えを認めなかった。最高裁への上告の期限は2月12日で、トランプ弁護団は上告を決めたという。この件については先週のニッポン放送で「おそらくトランプは生き残る。選挙をやらないと結果が出ないから、今回最高裁はあまり踏み込まないのではないか」とコメントした。
いくら最高裁で保守系判事が多数とはいえ、「大統領は未来永劫免責」などという主張は、普通であれば、認めがたいものだ。実際に控訴審は3人の判事全員一致でトランプ氏の主張を退けたのだが、そこはアメリカだから何が起きるか分からない。でも、ここでトランプの主張を認めたら、最高裁の権威は失墜するのではないかね?
ちなみに、トランプが大統領在任中にNATOのある加盟国首脳に対し、軍事費を適切に負担しなければロシアが攻撃してきても米国は支援せず、むしろ「好きに振る舞うようロシアをけしかけてやる」と伝えた点につき、NATO加盟国が反発している。バイデン政権も「低劣で正気と思えない」と非難したそうだが、その通りだと思う。
◾️Tカールソンの露大統領インタビュー
カールソンも実にしぶとい男だと思う。不愉快だからまだ全編視聴はしていないが、産経新聞などの報道を纏めれば、プーチンは次の通り述べたそうだ。
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