ちょっと待て「森保監督解任!」 失敗から学ぶことは多い その5
Japan In-depth / 2024年2月23日 11時0分
後半途中出場した久保建英も、つまり前半はベンチで戦況を見ていたわけだが、
「どんな練習をしてきたのか知りたい」
と舌を巻いたほどであったし、トルシエ監督自身、
「0-2で負けるより、2-4で負けた方が、我が方にとってははるかに意義があった」
「決勝トーナメント進出にも望みをつないだ」
と胸を張ってコメントしていた。ベトナムのメディアが絶賛したことは言うまでもない。
続く19日の第2戦、相手はイラクであったが、なんと前半2点を先行され、後半どうにか1点を返したものの、最後まで追いつけず敗戦。その後インドネシアに3-1で勝って、グループリーグを2位で通過したのである。
前にもお伝えしたが、日本代表のゴールを守るのは、ザイオンこと鈴木彩艶。
今次大会では5試合すべてに先発出場していながら、その5試合全てで失点。期待を大いに裏切ることとなってしまったのだが、度し難いのは、彼がガーナ人の父を持ち、褐色の肌であることから、人種差別的な投稿がネットにあふれたことだ。これには森保監督やサッカー協会も直ちに反応し、選手の人権をないがしろにすることは許されない、と言い切った。当然である。
ザイオンは米国生まれの埼玉県育ちで。浦和レッズのジュニアに加入し、後にトップクラブの試合に出場した最初のジュニア出身者となる。
その後も、15歳で日本代表のU17、17歳でU20に「飛び級」で選抜され、21歳にしてA代表の正ゴールキーパーになった。図抜けたポテンシャルの持ち主であることは言うを待たないが、Jリーグ時代の先輩たちが口を揃えて、
「ただでさえすごい体(身長190㎝)なのに、最後まで居残りで筋トレに励んでいた」
と証言するなど、並大抵ではない努力家の面も併せ持つ。
森保監督も語っていたが、世界を相手の厳しい試合を経験させることで、不動の守護神に育てたいという意図があったものと思われる。
もちろん、これには異論を唱える人もいて、元代表選手が自身のサイトで、
「日本代表は経験を積む場ではない」
と発信したりもしているが、私は、必ずしもそう決めつけたものではないだろうと考える。
キーパーの凡ミスで失点したという場面は見られなかったし、むしろディフェンダーとの意思統一がちゃんとできていなかった。つまり、今後の課題が明らかになったのではないだろうか。
そして、決勝トーナメントに駒を進めた日本は、バーレーンを3-1で下し、準々決勝に臨んだが、冒頭で述べた通りイランに1-2で敗れた。先制点を奪いながら追いつき追い越され、振り切られるという最悪のパターンで。
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