「テスラ・キラー」BYD、日本市場で攻勢強める
Japan In-depth / 2024年3月2日 16時28分
次に登壇したBYD Auto Japan株式会社代表取締役社長の東福寺厚樹氏は、2025年末までに100店舗のディーラー網構築という目標に対し、今年3月2日時点で全国51拠点(開業準備室含む)、うち正規ディーラー22店舗を達成し「いいペース」でディーラー網構築が進んでいることを明らかにした。
また、国内の去年の累計販売台数が1446台(ATTO3 1198台、BYD DOLPHIN 248台)に達し、受注は2000台に届く見込みである事を明らかにした。この販売台数をどう評価しているのか聞かれた東福寺氏は、「やはり、(販売台数が)年3000台を超さないと街中で(BYDの車だと)分からないので、なんとか(その数字を)目指したい」と意欲を示した。
▲写真 BYD Auto Japan株式会社代表取締役社長の東福寺厚樹氏 ⓒJapan In-depth編集部
その上で、新型車を毎年1車種以上、継続的に導入する考えも示した。これまでに投入された、電動SUV「ATTO 3」(2022年)、コンパクトモデル「BYD DOLPHINE(ドルフィン)」の2車種に加え、今年半ばにはハイエンドEVセダン「BYD SEAL(シール)」を発売する予定だ。
毎年1車種以上とはぶち上げたものだが、本国ではすでにBYDの商品展開は「BYD」ブランドの中核となる「王朝(Dynasty)」シリーズ、若者向けの「海洋(Ocean)」シリーズの2シリーズを中心に、「騰勢(DENZA:デンツァ)」、「方程豹(Fangchengbao:ファンチョンバオ)」、「仰望(YangWang:ヤンワン)」などの高級ブランドもあり、幅広いラインアップを誇る。日本に投入しようと思えばいつでもできるわけで、あながち実現不可能な戦略でもない。むしろ現実味を帯びているといえよう。
■ 次に投入するのはPHEV?
当然、会見で話題になったのは今後どのモデルを日本市場に投入するかだ。BYDはEVだけでなくPHEVも持っている。この辺がBYDの目ざといところだ。EV専業メーカーが軒並み苦戦しているのは、PHEVを持っていないからだ。
HEVやPHEVはガソリンエンジン車がEVに移行するまでの「つなぎの技術」と40年以上前から言われており、そんなものに投資するのはムダだ、ということでテスラなどは最初から開発しなかった。それがここにきて足を引っ張ることにもなりかねないのだ。アメリカでもしトランプ氏が大統領に返り咲いたら、EVへの補助金がカットされる可能性が高い。そうなるとEV頼みの一本足打法のメーカーは厳しくなる、というわけだ。
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