「テスラ・キラー」BYD、日本市場で攻勢強める
Japan In-depth / 2024年3月2日 16時28分
何を隠そう、日産も1990年後半には、HV車が発売寸前まで開発済みだった。しかし、業績が急速に悪くなり、ルノーの資本を受け入れることになり、かの「コスト・カッター」カルロス・ゴーンが日産に乗り込んできて、大ナタを振るった際、HV車の開発がストップされた経緯がある。
話を戻してBYDだが、2023年の世界販売台数は約300万台。EVとPHEVの比率は半々で、近年のPHEVの伸びが顕著だ。政府のEV補助金打ち切りにより、割安なPHEVがユーザーに支持された結果だ。
ガソリンエンジンとモーターを搭載するPHEVはバッテリーがEVより小さくてすみ、その分コストが安い。2023年2月に発売した、「秦PLUS DM-i 冠軍版」は、なんと同型車のガソリンエンジン車と同じ200万円を切る価格を設定し、人気が沸騰した。こうした価格競争力のあるPHEVが日本に投入されたらどうなるか?今、BYDは慎重に日本市場の動向を見極めている。
そこでヒントになるのは、2023年は日産の軽EV「サクラ」が爆発的に売れた年だということだ。軽自動車というのは日本オリジナルの規格だが、サクラ人気の背景には、軽だから、というよりは、約250万円という価格がユーザーに受け入れられたことにあると思われる。つまり、価格がガソリン車と比べて同等なら、ユーザーはEVもしくはPHEVを選ぶのではないか。自然災害が多い日本において、大容量のバッテリーを積むEVやPHEVは、非常用電源としても評価され始めているだけに、BYDのPEHVは市場に受け入れられる余地が大きいと思う。
■ ミニバン、SUVでも
BYDが誇るのは価格競争力だけではない。日本における高級ミニバン、中型SUV人気には根強いものがあるが、去年のジャパンモビリティショー2023のBYDブースで見た2モデルが、気になっている。
ひとつは、BYDとメルセデス・ベンツの合弁会社が展開する「DENZA」(デンツァ)シリーズのミニバン「D9」だ。パワートレーンにEVとPHEVを擁する。見てわかる通り、威風堂々としたエクステリア。応接室のように重厚感あるインテリアなど、日本で大人気のトヨタ・アルファード/ベルファイアの強力なライバルとなりうる。
▲写真 「デンツァ」D9 中国ではEVとPHEVの2つがある。ジャパンモビリティショー2023にて ⓒJapan In-depth編集部
もう一つのモデルは、「仰望」(ヤンワン)シリーズの高級SUV「U8」だ。こちらも日本車のライバルと言えば、トヨタのランドクルーザー、ハリアーあたりだろうか。むしろ、ランドローバー、ポルシェ、アウディ、BMW、メルセデスベンツ、クライスラーなど欧米勢と競合するような気がする。
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