地下鉄サリン事件を風化させるな
Japan In-depth / 2024年3月21日 0時18分
事件から29年。この事件を知らない若者がほとんどだ。どんな酷い事件も災害も時がたてば風化する。メディアの役割はそうした悲劇を風化させないことだ。
一方、若者たちに対するカルト宗教の勧誘は後を絶たないという。コロナ禍で友人が作れなかったりして、孤独にさいなまれる人も多いだろう。そうしたちょっとした心の隙間に、カルトは巧妙に忍び込んでくる。
特に新学期、大学のキャンパスが新歓の勧誘で盛り上がる季節だが、カルトは巧妙にアプローチしてくる。スポーツ、音楽、料理、ボランティア、さまざまな口実で人を誘い、やがて自己啓発セミナーなどに加入させて洗脳していく。学生だけではなく、企業の中にもそうした落とし穴はある。
実際、筆者の同僚の女性が、社内の男性にとあるセミナーに誘われ、すっかりその内容に心酔して私まで誘うようになった。聞けば、高額のセミナー参加費を払っている。これはカルトだと直感した私たち同僚は、脱退するよう説得したが、聞く耳を持たなかった。当時、同じような話があちこちの会社で起きていた。
こうしたことは実は私たちの身近で普通に起きているのだ。
私たちができることは、一人一人が過去に学び、2度と同じ過ちを繰り返さないためにどうしたらいいか、常に考えることだ。
きょうはそんな日にしたい。
オウムサリン事件で亡くなられた方のご冥福と、いまだに後遺症に苦しんでいらっしゃる方々が回復に向かいますよう、心から祈念する。
(2015年3月19日の記事に加筆しました)
トップ写真:地下鉄の車両を除染する陸上自衛隊化学防護部隊の隊員ら 出典:noboru hashimoto/Corbis via Getty Images
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