【岸田政権への提言】政治資金規正法を「規制」法に~議員立法でもできる【日本経済をターンアラウンドする!】その24
Japan In-depth / 2024年5月1日 7時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・自民党の政治資金規正法改正案は対症療法。裏金問題で、自民党の支持率もがた落ち。
・抜本的に「政治資金規正法」を廃案し、新たな「政治資金規制法」を作り上げていくべき。
・自民党は「企業・団体献金の廃止」「パーティー券の廃止」「徹底公開」をぶちたてるしかない。
自民党の政治資金規正法改正案が明らかになった。
・政治資金収支報告書の提出する際、議員の「確認書」を添付、義務付け
・内容を確認せずに形式的に作成していた場合は、議員本人に罰則・公民権停止
・もし虚偽記載などがあった場合、一定の条件下で議員本人も責任
・不記載相当額を国庫に納付させる
などのようだ。自民党は「連座制のようなもの」と言っている。しかし、野党各党が望むレベルにはなっていない現状である。政治資金自体を規制しろ!と思う国民の声が多く、朝日新聞の世論調査で「企業・団体献金を認めない方がいいが8割弱」となっているのに、こうも残念なしょうもない対症療法しか出てこないのにはびっくりした。
■ そもそも何故「規正」?
政治資金規正法は1984年・・・・規制ではなく、「規正」。GHQが日本を統治していた時代に作られたため、アメリカの論理、考え方が色濃く反映されているそうだ。アメリカの考え方は、政治活動には自由が重要であり、憲法で保証される自由というもの。自由に活動するにはカネがいる、そして、カネを規制するのはおかしいという理屈だそう。だからといってカネを巡って不正をすることも許されない。結果、公開と透明性が重要という考えが法理の根底にある。
法律の目的は「①政治団体の届出、 ②政治団体に係る政治資金の収支の公開、③政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正、④その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的」と記載されている。資金の規制は謳われていない。実際、政治資金規正法の内容は大きく分けて2つ、収支の公開と授受の規制(量的・質的制限)になる。
▲図 【出典】政治資金規正法のあらまし
ここには「政治資金を規制する」という考えは見られない。
問題は
・迂回したり、抜け穴がありまくる、いわゆる「裏金」
・政党と支部の不透明なお金の流れ
・赤旗、神戸学院大の上脇教授などが活動して、突き合せてみてようやく問題が明らかになったくらい、チェックが機能しづらい
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