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アメリカにとっての中国の脅威とは

Japan In-depth / 2024年5月9日 14時23分

ムーンレナー議員はハーバード大学出身の実業家からミシガン州の州議会で活動し、2015年には下院議員に当選した。トランプ前大統領にも近い共和党の保守派である。中国特別委員会でもその発足以来の主要メンバーとしてギャラガー委員長と密接な共同作業を続けてきた。





このムーンレナー新委員長が4月末、中国特別委員会を代表する形で政策声明を発表した。この特別委員会がこんごどのような基本政策で中国に対峙していくかの方針発表だった。アメリカ議会全体の中国政策を誘導し、牽引する同委員会の方針として注目すべきである。日本にも当然、影響が及ぶ。5項目からなるその政策方針とその説明は以下のようだった。





(1)台湾とアメリカの同盟諸国の安全を守る





私(ムーンレナー委員長)たちは2024年2月にも台湾を訪問し、台湾側首脳と会談したが、その際にも中国共産党の軍隊の野望に対する台湾防衛のための防衛産業の基盤の緊急強化が必要なことが明白となった。同時に経済措置だけで中国の台湾攻撃を抑止することはできない現実が認識された。そのため台湾への米側の軍事支援を拡大し、武器供与の遅滞をなくすことが不可欠ともなる。またその背景としてアメリカの日本や韓国などアジア地域の同盟諸国の防衛責務も改めて重要となる。





(2) 中国共産党がアメリカ社会に麻薬性鎮痛剤のフェンタニルを蔓延させることを阻む





中国は全世界に流通するフェンタニルの前駆体の97%を生産している。中国共産党はその麻薬性の危険を認知しながらフェンタニルの輸出に補助金を与え、アメリカ当局の取り締まりについて密輸業者に警告を与えることもある。アメリカ国内では年間10万人もがフェンタニルの麻薬製品によって死亡しており、中国共産党政権はこの違法状態への共犯者だといえる。アメリカ側はこの違法な流通を可能にする中国企業、さらにその背後で活動する中国政府機関への取り締まりを強化する必要がある。





(3)中国共産党がグローバル経済の枢要部分を制覇することを防ぐ





中国共産党政権は他の諸国を屈服させるために世界経済市場の枢要分野での供給チェーンを制覇し、独占しようとしている。不運なことに、すでに多数の諸国が自国に致命的な重要性を持つ物資や製品の供給を中国に依存している。たとえば電気自動車(EV)や希少金属である。中国は全世界で使われる電気自動車用のリチウム電池の60%を生産している。アメリカはそれに対して自国の生産能力を増すことよりも、結果として中国側企業の生産能力を増すことを奨励している。その中国企業の一例の電気自動車用の電池を製造する「寧徳時代新能源科技」(CATL)は中国政府から巨額の補助金を得て、社内に共産党細胞多数を有し、アメリカ国内でも販売を伸ばしているが、米側はその規制策はとっていない。





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