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「つばさの党」逮捕は想定内? ネットが助長する政治の劇場化

Japan In-depth / 2024年5月19日 10時0分

「つばさの党」逮捕は想定内? ネットが助長する政治の劇場化


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)


【まとめ】


・「つばさの党」代表ら、17日の逮捕はある意味想定内。


・ネットで相手を批判、動画投稿拡散の手法で知名度アップ。


・新興政党の手法だが、それが議席獲得に結びつくかはわからない。


 


 


5月17日、公職選挙法違反の疑いで警視庁に逮捕された、「つばさの党」の代表黒川敦彦容疑者と衆院選補選東京15区元候補で同党幹事長の根本良輔容疑者は、「してやったり」といったところではないか。今、まさに達成感に浸っているだろう。


 


根本容疑者が17日正午にXに予約投稿をしたことからも、彼らの余裕が感じられる。自分たちが逮捕されることを予感していたものと思われる。すべて想定内、ということなのではないか。


 


筆者は東京15区補選の取材の最中、乙武陣営の演説につばさの党が拡声器を使い大音量で乙武候補と、応援に入った小池百合子都知事を批判する現場にいた。乙武氏の過去の不倫問題と、小池知事の学歴詐称問題を執拗に非難していた。乙武候補の演説がかき消されるような事態になり、我慢の限界に達した乙武候補が怒りをあらわにする場面もあった。


 


その後、つばさの党のこうした行動はエスカレート、自分らの主張と重なるとした須藤元気候補以外の陣営に凸るようになった。その様子はyoutubeに次々投稿され、Xでも拡散された。根本容疑者は、どこぞのインタビューで、「視聴数がうなぎ登りで広告収入ヤバいことになってるんですよ」と話していたので、さぞかしすごい再生回数かとおもったら、そうでもなかった。資金源がどうなっているのか、不思議に思っている人も多いのではないか。


 


黒川容疑者は、かつて旧NHK党の幹事長だった。対立する相手をネットで批判し、それを拡散する手法はまさに立花孝志氏のそれである。


 


同じく旧NHK党から立候補して参議院議員になったガーシーこと東谷義和元参院議員も、いってみればネットの申し子だった。陰謀論をばらまき、多くの視聴者がそれに熱狂し、1人のユーチューバーを国会に送り込んだ。れいわ新選組の山本太郎代表も街頭で有権者がぶつける質問に対し、一つ一つ答えていく動画をよくアップしている。みなネットの持つ力をよく知り、自身の知名度を上げるためにそれを最大限活用しているところが共通している。


 


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