【都知事選、本当の争点】⑨(最終回)都知事選有力3候補人間力分析
Japan In-depth / 2024年7月6日 17時0分
既得権益からの反発や反感に対しても宣戦布告を突き付けるやり方は政治から「取り残されている」「何かおかしい」と感じたり、政治不信を持っている人にとっては「神」のように感じるだろう。それが熱狂の原因でもある。
本連載でも政策を分析したが、政治基盤が弱い中、安芸高田市ではよくやったと評価できる。また、ある関係者の言うことを聞くことが「利権主義になる」として取次ぎもしないなど、清廉潔白さも人気の原因だろう。
▲写真 【出典】中島由美子氏提供、波形
中島由美子氏によると「常に客観的に物事を観る目に長け、物事の本質をつく鋭い視野を持っている」とのこと。「私利私欲ではなく公僕として社会を良くしたいという思いを持っている」政治家のようだ。
▲写真 【出典】中島由美子氏、株式会社ターンアラウンド研究所HP
また、「インフルエンサーとして世の中に影響を与える力の強さを表している」こともうかがえる。社会活動家の沖見泰一さんによると「頭がいい。どこを攻めるかはわかっていて、喧嘩上手である」との評価である。
(2)当選後の課題
課題について、中島由美子氏は「統計、データ、効率化、費用対効果などロジカル、ビジネス的なもので物事を判断しがち」であるということを指摘する。「人が幸せに生きることや命の尊さなど、数字や理屈では理解できないものへ敬意を払うなど、精神性を高めていき、それを政治に生かしてこそ、本当の改革が行えると思う」と提言する。
そのまじめな姿勢、行政を分かっている面で、職員からは信頼を得ると思うが、東京都庁は巨大な組織で、多くの職員がいる。それなりにプライドが高い人も多い。組織マネジメントにおいては苦労することも多いだろう。退職者が増えていて、採用も苦戦し始めている東京都庁においては人材育成に力を入れることが重要であろう。
政治家として、都議を説得して、納得してもらい、大人としての関係性を作っていくことが重要であろう。「敵を作り、相手をやっつける」対決姿勢を示す、そういった「劇場型政治」を作ること、爽快さで人気を博すかもしれないだろうが、政治は妥協の技術である。一人ではできない。誰も取り残さないのが政治家の使命であることを忘れてはいけないと思う。
以上が「人間力分析」です。あくまで私の意見ですし、人生の先輩や候補者をよく知った方からは「違う」「わかっていない」との声があるだろう。あくまで多くの政治家を現場で見てきた経験や人材育成の専門家としての意見にしかすぎない。候補者のうちどなたが都知事になるにせよ、課題を意識して頑張ってもらいたいという気持ちを込めたので、その点ご理解頂けると幸いです。
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