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「石丸氏2位」が持つ意味とは(下)「選挙の夏」も多種多様 その4

Japan In-depth / 2024年7月26日 11時0分

 しかし2010年代から、言い換えればネット社会と呼ばれるようになってから、かの国の選挙運動も大いに様変わりしてきた。


 戸別訪問がまったくなくなったわけではないが、読者ご賢察の通り、どの政党・政治家も、SNSを通じての情報発信に注力するようになったのである。


 それ自体は悪いことでもなんでもないのだが、BBCが報じたところによると、英国における今次の総選挙では、TikTokなどに大量のフェイク動画が投稿されて問題となった。


  与野党の大物議員が、ちょっとここでは書けないような言葉遣いで相手陣営を罵倒したり、逆に、にわかには信じられないような「内部告発」を行ったり、というものだが、昨今話題の生成AIを用いた精巧な動画で、声など、本職のものまね芸人が一枚噛んだものまであったという。


 こうしたショッキングな動画は、真偽を見極めようとする前に拡散されてしまうのがネット社会の常で、若年層を中心に、投票行動に一定の影響を及ぼしたものと見られている。


 英国では昨年「2023年オンライン安全法」が可決され、過度に性的な動画などは、拡散しただけでペナルティを科されることになっているが、こうしたフェイク動画の場合、前述のように悪い意味で精巧に作られているので、見破るのは簡単ではない。言い換えれば、深く考えずに拡散した人も「だまされた被害者」と見ることができるので、表現の自由とのからみもあって、規制の網を掛けるのは、なかなか簡単ではないようだ。


 わが国でも遠からず、SNSが選挙戦の「主戦場」になるのであろうが、こういう馬鹿げた「文化」だけは、伝播してほしくないものである。


トップ写真:東京都庁前のボードに貼られた都知事選候補者のポスター。2024年7月7日。


出典:Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images


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