辞退騒動は体操協会の責任 今から次の五輪が楽しみ その1
Japan In-depth / 2024年8月6日 14時0分
そもそもこの選手は、協会の決定により出場資格を剥奪されたのではなく、辞退したのだ。
出場辞退というのは、あくまでも当人の決断と行動であって、処分とは異なる概念である。
このあたりの議論がほとんど区分けできていないまま、賛否両論が噴出しているように思えてならない。
元特捜検事の若狭勝弁護士までが、自身のYouTubeチャンネルの中で「辞退という処分」という言葉を使っているが、法理論上、この表現はおかしくないか。ただ、論拠は一応示されている。
若狭弁護士の見るところ、辞退したとは言っても、
「純粋に選手の自主的なものというよりは、おそらく周りの者が出場辞退をさせたという実態だと思う」
ということのようだ。
それはおそらく(いや、まず間違いなく)その通りだろう、と考えるのは、私一人ではないだろう。が、いかんせん証拠はなにもない。
法曹界とジャーナリズムに共通する最大のタブーとは、
「証拠を示すことなく誰かを断罪してはならない」
ということではないのか。
誤解のないように述べておくが、私は若狭弁護士を論難したいのではなく、協会は辞退の理由(未成年の飲酒・喫煙)だけではなく、当人が辞退を決断するに至った経緯についても、説明責任を果たすべきだ、と言いたいのである。
さらに言うなら、当人は未だ心身共に未成熟で、それゆえ「たかがタバコ」も法的に許されていない未成年なのであるから、この件でまず責めを負うべきは、協会と指導者の監督不行き届きではないのかと私は思う。
今次の女子体操代表チームは全員が10代で、19歳の彼女が最年長であった。
前述のように主将にも任じられており、協会からの聞き取り調査に対して、本人も飲酒・喫煙は「プレッシャーに耐えかねた」ためであったと弁明したらしい。
この点についても、情報が錯綜しているのだが、色々読んでみると、早い時期から才能を示していた反面、よく言えば「我が道を行く」タイプだが、悪く言えば「自己チュー」で、とりわけ素行については中学生時代から問題視する向きもあったらしい。今次の問題にせよ、協会に「通報があった」ことが発端であると、協会自身が認めているが、代表チームの内部で不協和音が聞かれたということなのだろう。
いずれにせよ主将が辞退した結果、代表チームは4人で本番に臨まざるを得なくなった。ケガや病気以外の理由で、代表選手の交代は認められないそうだ。
これだと、苦手な種目は出場回避するということが不可能になり、かなりの減点要因になるだろう、と当初は報じられていた。
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