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デンマーク裁判所、シー・シェパード創設者の身柄拘束延長決定

Japan In-depth / 2024年8月20日 23時0分

しかも、弁護士の監視下におくという条件で、アパートに勾留されて脱走された例は近年すでに起こっていたことは多くの人が知っていることだろう。そう、現在はレバノンに逃亡している日産自動車・前会長のカルロス・ゴーン容疑者の話だ。





さらに、今回、ポール・ワトソン氏の弁護士団の中には、なんと、ゴーン氏を担当したフランスの弁護士も名前を連ねている。このことをグリーンランド地裁が知っていたかはわからないが、用心するに越したことはないことは間違いない。





■ ワトソン氏の弁護士の一人はゴーン氏の弁護士





ゴーン氏を担当し、ポール・ワトソン氏を担当しているフランスの弁護士は、フランソワ・ジメレー氏である。ゴーン氏のフランス側の弁護士団には、フランソワ・ジメレー氏、ジャンイブ・ルボルニュ氏という二人の弁護士が活躍していた。当時は、この弁護士団により、日本の司法に対する風評被害が広められ、日本が人権侵害国であるという印象を植え付けられたが、その功績が認められたのか、その後もフランス国内の日本に関する事件にはよく名前が聞かれる弁護士となった。そして、そのたびに日本の印象を悪くするために同じ主張がされてきたが、その手法が、今回のポール・ワトソン事件にも応用されている。





フランソワ・ジメレー氏は、グリーンランド地裁での協議が行われたときに、次のように弁護した。





日本は、「死刑を執行し続けている国」であり、「日本では有罪推定があり、検察は有罪率が 99.6%であることを誇らしげに発表している」、また、「人権に関する国際条約を尊重しない国で、公正な裁判を受ける権利を持てないリスクがある」、と。





こういった弁護と協力者の主張も含め、「ポール・ワトソン氏が日本に行くということは、それは死を意味する」といった文面、またはそれを匂わす言葉が、フランスの記事に多く書かれる結果となっている。





■ 日本のイメージにも大きく影響





「日本に行くことは死を意味する」と書かれて、他の解釈をする人が出てくることが心配だ。





実際の話、現在73歳のポール・ワトソン氏が有罪になれば懲役15年と予想されていて、もし本当に15年間、刑務所で過ごすことになれば出所するときは88歳だ。年齢を考えれば、日本でその人生を終える可能性は確かにある。





しかし、そのことをゆがめて解釈され、その言葉通りに「日本に行くことは死を意味する」と広められるのは酷い話である。この結果、デンマークから日本に無事に引き渡しされたとしても、ポール・ワトソン氏が日本で亡くなれば「やはり死につながった」と批判されたあげく、ポール・ワトソン氏は間違いなく神格化され、その後も日本を非難する格好の攻撃材料をとなっていくだろう。





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