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「久保選手不参加」は残念だが……今から次の五輪が楽しみ その4

Japan In-depth / 2024年8月24日 10時8分

 これ以上は多くを語るまでもないことで、ワールドカップに出てくるような「アマチュア」と本物のアマチュアを闘わせるのは、いかにも無茶というものだ。事実、1950~60年代を通じて、サッカーのメダルは東欧勢が独占するようになった。


 さらには、TVの普及に伴い、五輪は莫大な放映権料が稼げる、世界最大のスポーツ・イベントへと変貌を遂げて行った。


 こうした事情もあって、1980年代からIOCもプロの参加を認める方向に舵を切ったのだが、サッカーには、また別の事情もあった。


 すでに、世界最高のサッカーの大会としてワールドカップが4年おきに開催されていたわけだが、もしも五輪がプロの大会になると、相対的に存在意義が薄れてしまいかねない。


 そのように考えたFIFAは、IOCがプロ選手を五輪に出場させるよう、繰り返し養成しても、なかなか首を縦に振らなかったのである。 


 最終的には両者の駆け引きの末、1980年モスクワ五輪において、


「ワールドカップ本大会、及び予選に出場した欧州と南米の選手以外」


であればプロの参加を認めることとなり、92年バルセロナ五輪からは「23歳以下」というルールが定められた。しかしIOCは、スター選手の五輪出場を諦めず、3人までは24歳以上の選手も招集できることになった。これが世に言うオーバーエイジ枠である。


 久保建英選手の場合、2001年生まれの23歳なので、年齢制限の問題はないが、ラ・リーガ(スペイン1部)のレアル・ソシエダに所属するプロ選手なので、クラブの承認なしに五輪に参加することはできない、という事情があった。


 年齢制限のない「国際Aマッチ」であれば、所属選手が代表に招集された場合、チームに反対する権利はないが、五輪のサッカーはAマッチではない。


 東京五輪に際しては、所属していたヘタフェが五輪出場を認めてくれたのだが、レアル・ソシエダは今や主力に成長したタケ(久保選手)の離脱は認められない、としたわけだ。


 同じ理由で、ワールドカップ・カタール大会で存在感を示した三苫薫、堂安律、田中碧といった選手たちをオーバーエイジ枠で召集することもできなかった。


 プロならではの「大人の事情」だと言ってしまえばそれまでだし、ワールドカップに出場した選手が今さら五輪のメダルを目指さなくとも……という意見も、よく理解できるのだが、やはり私個人としては、年代別なら年代別なりのベストメンバーで闘って欲しかった。


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