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「久保選手不参加」は残念だが……今から次の五輪が楽しみ その4

Japan In-depth / 2024年8月24日 10時8分

 こうした年齢制限があるのは、実はサッカーだけではない。


 IOCは五輪参加について「年齢制限はない」としているのだが、各競技の国際団体が年齢制限を定めた場合には、理事会がほとんど自動的に承認することになっているようだ。


 この年齢制限の問題が、わが国でもっとも関心の的になったのは2006年のトリノ冬季五輪であった。当時14歳だったフィギュアスケートの浅田真央選手が、国内では図抜けた才能を見せていながら、国際スケート連盟が定めた年齢制限(当時は15歳。現在は17歳)のせいで出場がかなわなかったのである。


 今次のパリ五輪の直前には、16歳の女子高生が、800mの日本記録を19年ぶりに更新した。タイムは1分59秒93。史上初めて2分を切った。


 その選手の名は久保凜(くぼ・りん)といい、前述の久保建英選手の従妹である。


 日本新記録を出した選手を、いちいち「サッカーの久保選手の……」などと紹介する意味があるのか、といった意見もネットでは散見されたが、私個人としては、


(恐るべきDNAというものが、どうやら本当にあるらしいな)


などと思わされたので。その意味では有益な情報であった。


 しかし同時に、日本と世との差がここまで大きかったとは、と衝撃を受けたことも事実だ。陸上競技の国際大会には「参加標準記録」というものがあり、パリ五輪における女子800mのそれは1分59秒30。久保凜選手の日本新記録も、半秒ほど及ばないのだ。


 それよりなにより、国際陸連は、種目により一部に例外はあるものの、原則20歳未満の選手には五輪出場資格を認めていない。


 今月末からペルーのリマで開かれる「U20世界選手権」には、彼女の他、中学時代から注目の的であったドルーリー朱瑛里(しゅり)選手らも出場する。


 今、日本の女子高生ランナーは逸材が揃っている。


 リオデジャネイロ五輪の男子4×100mリレーで、日本代表が米国とカナダの選手を後ろに従えてゴールに飛び込んだのを見た時は、長生きはするものだ、と本当に思った。


 次こそは、日本女性がその底力を見せ、世界を驚かせて欲しいものだ。


トップ写真:東京オリンピックサッカー準決勝 日本対スペインの試合に出場する久保建英選手(2021年8月3日、埼玉県)


出典:Photo by Kaz Photography/Getty Image


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