日中関係の再考 その7 中国の強大な軍事脅威
Japan In-depth / 2024年8月26日 11時0分
とくにいまのアメリカの対中軍事態勢には弱点がある。この中距離、準中距離のミサイルに限ってみると、この領域ではアメリカ側には同等レベルでの必要な抑止力がないのだ。日本周辺での同種の地上配備のミサイルは米軍側にはないのである。
アメリカは東西冷戦の末期に旧ソ連との間で中距離核戦力(INF)全廃条約を結び、地上配備の中距離ミサイルを全廃してしまったからだ。だからこの水準のミサイルは中国の独壇場なのだ。現状だと中国側はこの中距離ミサイルの威力を使い、日本側に効果的な脅しをかけ、譲歩を迫ることができるわけである。
軍事力を使わないで、政治目的のために利用する。これこそが軍事力の恐ろしさだといえる。アメリカ側の専門家や連邦議員の一部は日本自身が中距離ミサイルを配備することを抑止と均衡という戦略的見地から提案している。だが日本国内の政治状況を考えると、実現は難しくみえる。しかしアメリカ側にはこうした考え方もあるという事実は知っておくべきだろう。
以上のように日中関係の軍事の現実は日本側にとって、きわめて巨大な脅威がさし迫っていることを示しているのだ。
(その8につづく。その1、その2、その3、その4、その5、その6)
トップ写真:中華人民共和国建国70周年を祝うパレード。極超音速滑空ミサイル「DF-17(東風-17)」(2019年10月1日中国・北京)出典:Kevin Frayer/Getty Images
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