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政治利用はこれを最後に!今から次の五輪が楽しみ 最終回

Japan In-depth / 2024年8月29日 7時0分

しかしながら、21世紀の今、我々は地球規模で温暖化の問題と直面している。パリも昨年、猛暑に見舞われ、最高気温41度を記録した。この結果、6~9月に熱中症もしくはその疑いのあるとする、救急車の出動要請が2万件以上あり、猛暑が原因で亡くなったと推計される人は5167人。うち75%を75歳以上の高齢者が占めていた。





この事態を受けて、選手村の内部が各国のメディアに公開されるや、





「エアコンなしとは。どういうことか」





と非難囂々。だが、パリ市長は強気であった。エアコンはなくとも、床下に備えたパイプに冷水を通すことにより、室温を6度下げることができる。これならば快適で電気代も安いのだ、と。





読者ご賢察の通り、これがまたまた炎上した。代表的な意見をひとつ紹介すると、





「40度を超す猛暑に見舞われたら、室温が6度下がったとて35度くらいではないか。どこが快適なのだ」





というもの。正論と言うも愚かな、小学生でも分かりそうな話だ。ちなみに、アスリートが快適に過ごせる室温とは23~26度だとされている。おまけに、競技会場と選手村とを結ぶシャトルバスにもエアコンがなかった。





最終的には、多くの国の選手団が自腹でエアコンを設置する羽目になり、一時期パリでは在庫薄になったとか。さらには、多数のエアコンを調達・設置する費用は、決して安いものではなく、豊かではない国々からは大いなる不満の声が聞かれた。





さらに、食事もひどかった。





フランスと言えば「美食の国」だが、選手村や競技場の食堂では、牛肉を一再使わない、と決められていたのである。





いわゆる温室効果ガスの、およそ14.5%は家畜が排出している、という理由だが、これまたネットに書き込まれた代表的な声を紹介すると、





「そんなことを言うなら、五輪など中止すれば一番エコなのではないか」





というもの。「激しく同意します!」と言いたくなるのは、私だけであろうか。





これまた各国選手団から大ブーイングが起きた結果、鶏卵700㎏と肉1トンを急遽買い付け、メニューに追加されたらしいが、本当になにを考えていたのだろうか。





全ては「SDGs五輪」という理念に基づくものだが、提唱者であり牽引役でもあったパリ市長は、その名をアンヌ・イダルゴという。





1959年、スペインのアンダルシア地方生まれ。父親が労働組合運動の活動家で、1962年に当時のフランコ政権に反発し、フランスのリヨンに移住した。両親は後にスペインに帰国したが、3歳にもならない時からフランスで育った次女アンヌは、14歳の時にフランス国籍を取得し、リヨン大学を卒業後、労働監督官を経て30歳で社会党に入党している。





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