自民党総裁選挙 9 石破茂氏「政策分析」と「人事評価」
Japan In-depth / 2024年9月27日 9時48分
1983年、丸紅勤務の大学の同級生と結婚。1984年、鳥取に戻って、衆議院選挙に出馬。1986年、衆参同日選挙で初当選。1993年の衆議院選では公認を得られず無所属で当選し、新生党に入党。内部では憲法改正の議論もなく権力闘争ばかりで小沢一郎氏にも意見をしたそう。「何のために政治家になったのか自問自答ばかりしていた」(著書「保守政治家 わが政策、わが天命」より)。新進党を経て、1997年に自民党に復党。復党は大きな蹉跌であった。高邁な理想が果たせなかったことを蹉跌と感じて、党内の居心地の悪さからに悩んだものの、「人の視線を気にしながらうじうじしていても仕方ない」(前掲)と一度安全保障の勉強をやり直し、職務に没頭した。
2002年、小泉内閣で防衛庁長官として初入閣。防衛大臣、農林水産大臣、国務大臣・地方創生担当、自民党政務調査会長、自民党幹事長を歴任。
◆ 石破氏の政策の特徴
日米地位協定の改定の検討、ファイブアイズはじめ友好国・同士国との連携を抜本的に強化、サイバーセキュリティに取り組む組織・人員・予算を大幅に拡充、自衛官の給与の早急な引き上げ、防災庁の設置、TKB(T=トイレ、K=キッチンカー、B=ベッド・バス)を配備しうる平時からの官民連携体制を構築、政党法の議論開始などを主張する。党綱領の制定、党首選挙のルール、意思決定の在り方、政党支部数、政党助成金使途の明確化、各級選挙の候補者の選定方法などの政治改革案も提案している。
特徴の第一に、アベノミクスからの新たな路線変更であることだ。「今後はアベノミクスからの軌道修正を図らなければなりません。重要なのは労働分配率の向上です。まずは生産性を上げて、得られた利益をきちんと労働者に分配していく」と発言している。「格差の縮小が経済成長につながる」という考えを持ち、岸田政権の分配重視路線を踏襲する。さらに、石破さんは総裁選中に発言した「金融所得課税」は、まさに富裕層・大企業が優先されたアベノミクスへの明確な対案であるといえる。富裕層の所得税、法人税など負担能力のある人、企業に負担してもらう「応能原則」の考え方が強い。失われた30年の検証の必要性を語り、コストカット型経済から高付加価値創出型経済への転換を主張する。この点も岸田政権の路線を踏襲してるとも言える。
・デフレ脱却の果実を多くの国民に実感してもらうため、生活必需品の価格上昇や住宅ローン等の金利上昇への緊急対策を講じつつ、賃上げのための環境整備(保育・介護報酬等公的制度を含む)、人手不足に対して DX 等を推進する中小企業への支援、価格転嫁対策を強化するため下請法の改正案などを次期通常国会に提出します(経済・物価高対策)。
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