自民党総裁選挙 9 石破茂氏「政策分析」と「人事評価」
Japan In-depth / 2024年9月27日 9時48分
また、東京一極集中の問題解決にも熱心で、省庁の地方移転を本格的に推進してきたいとも語る。
第三に、マネジメント面である。防衛政策においては「個別最適は全体最適ではない」という視点を提起する。エビデンスに基づく政策推進(EBPM)の考え方をビルトインすることが明確だ。
・官民で総合的な「幸福度・満足度」の指標を策定・共有。
・「自給率」と「自給力」の両方について、数値目標を作り、計画的に達成を目指します。
【出典】石破さん政策
彼の下で、地方創生を行った際、KPI設定を行うことを重視していた。三重県の事務事業評価制度、政策評価法から始まる「行政経営」の視点で、KPI専門家の筆者としては非常に勇気を得たものだ。全国の地方自治体のKPI設定やKPIマネジメントはまだまだ課題はあるもの、再度「指標と数値目標によるマネジメント」の必要性を注入しようとする点に好感が持てる。
課題は、金融所得課税などの富裕層への応分の負担の議論をどう進めていくか、だろう。
◆ 人事評価
筆者は人事評価の専門家として「政治家の人事評価」などを提起してきた。ここで、「首相の人事評価」を考えたい。総理大臣の「能力」「成果が出せる行動特性(コンピテンシー)」は以下になる。
◆1.未来の方向性を示せる、共有できる
◆2.組織マネジメントができる
◆3.決断・意思決定ができる
これをしっかりできれば十分なのだが、石破さんをこの視点を細かく見ると以下のようになる。
石破さん「あらゆる人が安心安全で幸せに暮らす国」を目指すそう。それは一部の人たちを幸せにする社会ではない。安倍政権まで何十年と続いてきた新自由主義的な政権が、岸田政権で少し路線が変更した。今回の総裁選では、またアベノミクスに戻るか、配分重視か、日本の岐路、社会のあり方が問われる。もちろん石破さんは「失われた30年」に終止符を打つ意欲を明確にしている。
「政治が信頼を取り戻すために私がすべきことは、社会や国家の問題点を洗い出し、解決策を見出し、それを法律や予算と言った形にして、できるだけこの国をいい形で次の世代に残すために研鑽を積む以外にないと思う」(前掲)と語る。
「もっと国民を信用し、国民の胸に飛び込んでいくべき」と国民からの信頼を重要視する石破さんに期待したい。
トップ写真:日本記者クラブに対し演説をする石破茂氏(2024年9月14日、東京)
出典:Photo by Takashi Aoyama/Getty Images
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