石破新総裁誕生の背景 本当に「政治の季節」なのか その3
Japan In-depth / 2024年9月28日 11時0分
そう。日本新党を軸に「非自民・非共産」の野党連合が自民党を下野に追いやった、1993年の政界再編の再現である。くどいようだが、実現の可能性はほぼないだろうと思いつつも、政治を刷新するにはそのくらいのことが起きなければ、と考えていたのである。
したがって今次の総裁選に際しても、私は「隠れ高市推し」であった笑。
彼女の政治姿勢にはまったく賛同できないのだが、逆にそうであるからこそ、あのように保守と言うより右翼のイメージすらある政治家が、総裁選を制して首相の座に就いたなら、政局は早々に大きく動くのでは、との期待があったのである。
たとえば、彼女の公約として最もよく知られているのが、靖国神社公式参拝だが、来年夏にでも強行されたなら、どうなったか。
現在の自民党は、公明党との連立なくして政権を維持できないのが本当のところだが、その公明党の支持母体である創価学会が、黙っているだろうか。
強行という表現を用いたのは、中国との関係がこじれている今、火に油を注ぐような行為であるとして、公明党だけではなく外務省筋などが「松の廊下」のように、羽交い締めにしてでも止めにかかるだろう、と考えられるからだが、それでも公約にこだわるか、あるいは翻意するか、いずれにせよ、ろくな結果にはならないだろう。
とは言え、結果はご案内の通りで、第一回の投票では高市候補が首位となったものの、過半数には及ばず、二位の石破候補との決選投票にもつれ込んだ。
そして石破候補の逆転勝利となったのである。
一部保守系メディアは、前述の靖国問題など、高市候補のイメージを悪化させるような「ワイドショー政治」のせいであるなどと、悔しさをにじませるような報じ方をしていたが、それが政治の本来の姿なのではないだろうか。
真面目な話、高市候補は敗れるべくして敗れたのであると私は思う。
この間の「ワイドショー政治」をできるだけ見たが、靖国問題で袋叩きに遭っていたことも事実だが、それが全てではない。
たとえば、米軍基地周辺の飛行規制の問題で、外国に航空管制権を握られている独立国など他にあるのか、という主旨で、横田基地の返還を求める考えはあるか、との質問を受けた際には、
「個別具体的な案件に今はお答えできません」
などと逃げてしまった。どの面下げて「英霊」に手を合わせに行くのだろうか。
とどのつまり自民党は、選挙の顔として高市候補はふさわしくない、という判断を下したのだろう。
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