阪神ファンと高市候補支持者の嘆き 本当に「政治の季節」なのか その4
Japan In-depth / 2024年9月30日 11時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・次の総選挙では自民党はかなりの逆風に晒されることは不可避、と見る向きも多い。
・石破新政権が、安倍政権の「負の遺産」を清算できるかと言えば、それは難しい。
・次回総選挙、自民党にかなり厳しい結果が出るだろうが、政権交代に至るとまで考えている人はほとんどいない。
10月1日に臨時国会が召集され、新たに自民党総裁となった石破茂氏が首班に指名される予定である。
……この原稿は28日に書いているので、あくまでも「予定」だが、世間の関心はと言うと、セ・リーグにおける巨人のV奪回に持って行かれてしまった感がある。
本連載までそれに乗せられるわけには行かないのだが、石破新総裁が相次いで発表する人事が報じられる都度、
(阪神ファンの気持ちが分かる)
などと思わされたことも、また事実である。
まず、自民党選挙対策委員長に小泉進次郎氏。
「選挙の顔」として総裁候補に推されていた彼には、ちょうどよい役どころなのであろうが、予定調和にも程があると言うか、ここまで面白味がないと、かえって笑える。
阪神が巨人との2ゲーム差をひっくり返して「アレンパ」を成し遂げるためには、先週の直接対決で連勝することが不可欠の条件とされていたが、結果は1勝1敗。これでほぼ、巨人の優勝が決まったようなものだったが、この時点でもまだ、
「残り5試合を全勝すれば……」
という望みは、首の皮一枚くらい残っていた。
ところがその緒戦、27日の広島戦で延長12回サヨナラ負け。しかも4番・ファースト大山の失策がらみという、最悪の負け方。
これを今の政治状況に当てはめると、派閥のしがらみがない総裁だけに、もしかして人事も……という淡い期待が打ち砕かれて、面白くもなんともない結果になったようなものではないか。おまけに、その小泉氏を支持していた菅義昭・元首相には、自民党副総裁の地位が与えられるという。
麻生副総裁から、いわば首をすげ替えるという話で、どう考えても総裁選をめぐっての報復人事だ。
今後は、新内閣の閣僚人事ということになるわけだが、現時点で発表されている人事を延長して考えると、旧安倍派が冷や飯を食わされる可能性は極めて高い。
「派閥は解消されたので、何派から何人、ということは一切考えない」
などと石破新総裁自身は語っているが、これを額面通り受け取る人が、どれほどいるだろうか。
実際問題として、総裁選で決選投票にまでもつれ込んだ相手=高市早苗経済安保担当大臣に対して、自民党総務会長就任を打診したが、高市大臣は固辞した、との報道もあった。閣僚の座をオファーされても受けない、と周囲に語っているとも聞く。
この記事に関連するニュース
-
高市早苗氏でも、小泉進次郎氏でもない…「余命は長くて6カ月」石破政権の次を狙う"自民党のキーマン"
プレジデントオンライン / 2024年11月7日 9時15分
-
農相・法相の後任人事でも石破カラー封印…「党内融和」優先に世論ますますがっかり
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月5日 11時32分
-
旧安倍派を敵に回して、国民民主・玉木氏にすがりつく…石破政権がわずか1カ月で「泥舟」になった理由
プレジデントオンライン / 2024年11月1日 17時15分
-
「裏金議員の追加公認」「参政・保守との連立」「引きはがし工作」…瀕死の石破政権、過半数維持のためなら”なんでも”あり?
集英社オンライン / 2024年10月29日 19時2分
-
自民大敗、でも石破続投......なら、次の政局はいつ、どんな形で訪れるのか?
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月29日 10時31分
ランキング
-
1大阪・貝塚市の港 両脚縛られた遺体は大阪市の26歳男性と判明 両親は「将来の夢を持って、毎日頑張っていた」
MBSニュース / 2024年11月22日 16時5分
-
2「スギ薬局」が別患者の薬混入し女性死亡 遺族に調剤ミス認め、4000万円支払いで和解
産経ニュース / 2024年11月22日 17時29分
-
3新潟市南区妻子殺害事件 被告の男に無期懲役の判決 新潟地裁
BSN新潟放送 / 2024年11月22日 15時2分
-
4今週7か月ぶりに再開したばかりも…また掘削停止、岩盤発見 北海道新幹線「羊蹄トンネル」
STVニュース北海道 / 2024年11月22日 14時30分
-
5「焼肉ライク」がまさかの店舗数減。食べ放題チェーン「焼肉きんぐ」と分かれた明暗
日刊SPA! / 2024年11月22日 15時53分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください