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待たれるタイム・トゥ・チェンジ 本当に「政治の季節」なのか 最終回

Japan In-depth / 2024年10月1日 13時30分

 これについては高名な政治評論家も、まさか本紙の後追いではないだろうが笑、TVの特集番組でまったく同じ見方を開陳した。


 もうひとつ、初の女性宰相を期待する声に対して、私が「なにを今さら」と受け止めたというのは、二重の意味がある。


 高市候補が一度は総理総裁にもっとも近い位置に立つことができたのは、女性だからではなく、失地回復を狙う旧安倍派の思惑に乗っていたからで、決選投票で逆転負けを喫した原因は、それだけは許さない、という岸田首相が石破候補支持に動いたからだ。


 どこまで行っても派閥の論理で総裁が選ばれるという自民党の体質は、今もなにひとつ変わっていないことが、あらためて明らかになったとも言える。


 そうした次第なので、石破新総裁誕生に伴い、週明けの東京株式市場で株価が急落した(彼は日銀の追加利上げに肯定的)ことも、各種の世論調査で、新総裁への「ご祝儀相場」はあまり期待できず、次なる総選挙で自民党は大きく議席を減らすだろう、との予測が支配的であることも、驚くには値しないと私などは考えている。


 しかしながら、政権交代の可能性があるかと言われると、誰が「然り」と答えられるであろうか。私が、実は高市早苗総理の誕生を密かに期待していたことは前に述べたが、それは彼女が、靖国神社への公式参拝などを航行した場合、自民党分裂含みの大政局になって、政治を刷新する好機にもなり得る、との考えであった。


 逆に言えば、野党にはもはやなにも期待できないというのが、今の日本の政治状況なのではあるまいか。


 自民党総裁選に先立って、立憲民主党の代表選が行われた。そして、こちらもすでに大きく報じられた通り、野田佳彦・元首相が再登板することとなった。やはり「なにを今さら」と言うほかはない、と感じたのは私だけであろうか。


 一歩退いて冷静に考えたなら、共産党と昵懇だった前代表が辞して野田氏が再登板したことで、国民民主党との「再統一」も可能になり、野党再編の可能性が生まれてきたが、これまた、結局「コップの中の嵐」にとどまりそうな話だ。


 私は選挙制度や議会制度について結構長く取材と勉強を続けて、何冊かの著書もものしているが、かの国では「タイム・トゥ・チェンジ」と言葉が人口に膾炙している。


 おおむね15年から20年の間で、そろそろ政治を刷新すべき時期だ、という気運が盛り上がり、政権交代の確率が高くなる、とされているのだ。


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