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待たれるタイム・トゥ・チェンジ 本当に「政治の季節」なのか 最終回

Japan In-depth / 2024年10月1日 13時30分

 無論、選挙システムが異なるので、単純な比較はできないのだが、長期政権は傲慢になりやすく、様々な金権スキャンダルの温床になる、ということだけは、日英ともに有権者はよく理解できているはずだと私は思う。ただ、わが国においては遺憾なことに、政権交代を望む声があまり盛り上がらない。


 1993年に自民党は総選挙で大敗し、非自民・非共産の8党連立政権が誕生したが、この時はリクルート事件など「政治とカネ」の問題でガタガタになった自民党を見限り、小沢一郎氏などが党を割ったことが原動力となった。


 私が「自民党分裂含みの大政局」を期待したというのも、この時のことが記憶にあったからだが、よく考えてみるとあの当時は、「政権交代の政権交代でもよいから、とにかく一度やってみるべきだ」というムードが盛り上がっていた。


 2009年に民主党政権が誕生した際も、具体的な政策論争より「政権交代ムード」に乗って総選挙で圧勝したのであると総括する人が今では多い。そんなことでよいのか、という声を聞くことも一切ないではないのだが、私はあえて「それでもよい」と主張したい。


 ムードであろうがなんであろうが、政権交代の現実的可能性がないと、与党政治家がとかく傲慢になり、腐敗の温床となりやすい。


 遺憾ながら、わが国において、政権担当能力のある強い野党が誕生するのまでには、いましばらく時間がかかるであろう。


 現実は現実として受け容れなければならないが、だからと言って、自公政権以外の選択肢は考えにくいという状況が、このまま続いてよいとは、私には思えない。


 もしも予測通りに、石破新首相率いる自民党が総選挙で大きく議席を減らしたとしても、政権交代に結びつかない限り、今度は「石破降ろし」を軸とする、相変わらずの政局が繰り返されるだけではあるまいか。


「コップの中の嵐」は、もはや見飽きた。


(その1,その2,その3,その4)


トップ写真:自民党総裁選討論会での高市早苗候補 2024/9/12 東京都千代田区 日本記者クラブ 出典:Photo by Takashi Aoyama/Getty Images


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