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信頼欠く自民党か、頼りない野党かー総選挙、究極の選択

Japan In-depth / 2024年10月19日 17時0分

自民党は33議席減、当時の日本社会党(社民党の前身)はブームにのって24増の46議席と大きく躍進した。





衆院では自民党が多数、参院では過半数を割り込むという〝ねじれ現象〟が生じ、その後、長期間自民党を苦しめることになる。





■ 早期解散は誤りとホゾを噛む?





今回、与党が苦戦を強いられている背景は、直近の問題としては、すでに報じられているように石破総理・総裁が、前言を翻して解散に踏み切ってしまった〝食言〟があげられよう。





首相は就任前に、野党との十分な論戦が必要として、「ただちに解散ということにはならない」(9月14日、日本記者クラブでの自民党総裁候補の討論会)と主張しながら、いったん就任すると、就任わずか8日後に解散してしまった。





政治資金パーティー収入めぐる政治資金規正法違反事件に関与した前議員を公認する方針を固めながら、きびしい世論を見て急遽、非公認にして党の亀裂を深め、右往左往ぶりで国民をあきれさせた。





政策面でも、当初の日米地位協定見直し、アジア版NATO構想などで次々に持論を後退させていったことも国民を失望させた。





中期的にみれば、石破氏の就任以前の問題とはいえ、旧統一教会問題、政治資金パ―ティー収入問題などではいまだに尾を引いている





こうした現状と過去を比較した場合、今回だけ例外、楽観的になる要素はまったくない。





石破内閣の支持率は発足時からきびしく、20%台の調査結果もあり、悲観的な見方を増幅させる。





自らの議席維持に執心のあまり、しぶる総理・総裁に強要して早期解散・総選挙を実現させたものの、〝ご祝儀人気〟など全くの幻想だったことに気づき、きびしい選挙戦を思い知らされた候補者も少なくないだろう。





もっと後悔しているのは、党内基盤の弱さのために、持論をまげても党内世論に屈した石破氏自身ではないか。こんなことなら信念に従って慎重に解散時期を見極めるべきだったとホゾをかんでいるかもしれない。皮肉な結果というほかはない。





■ 野党に政権託せるのか





自民党が信頼に足らないからと言って、内外ともに多事多難という常とう句がしっくりする昨今、安心して野党に政権委ねることができるのか。





総選挙で惨敗、野党に転落して多くの仲間の議席を失わせた元首相が臆面もなく代表に返り咲いた野党第1党。不祥事続きの野党第2党・・。





とくに立憲民主党の野田代表は、石破氏の早期解散をなじり続け、野党でありながら総選挙を恐れているのかーという印象すら有権者に与えた。





「政権交代こそが最大の政治改革」との主張は、与党になって、政治のどこをどう変えるのかではなく、政権に就くこと自体が目的という疑念を呼ぼう。





与党が過半数を獲得、従来の連立維持か、過半数割れによる枠組み変更か、または野党への交代かー。 





投票まで9日。有権者にとってはありがたくない〝究極の選択〟だろう。





トップ写真:福島県いわき市小名浜港での選挙キャンペーン集会で演説を行う石破茂首相(日本、いわき市2024年10月16日)出典:Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images




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