京浜急行鉄道事故総合対応訓練から見えてきたもの
Japan In-depth / 2024年10月21日 7時0分
▲写真 列車から救出される乗客(社員らが乗客の役をしている)ⒸJapan In-depth編集部
▲写真 救出され線路上を歩く乗客(社員らが乗客の役をしている)ⒸJapan In-depth編集部
一方、車の方は、消防隊員が大型カッターを使い、リアゲートのヒンジを切断して取り除き、迅速に運転者を救出した。
▲写真 事故者のリアゲートを取り外し、運転手を救出する消防隊員 ⒸJapan In-depth編集部
その後、踏切内の事故車両の搬出が行われた。モーターカーという特殊な工事列車のクレーンが車両に装着されたロープを引っ張り上げて移動させた。手際のよさが光る。
▲写真 モーターカーのクレーンで事故車両を持ち上げ、線路内から除去する作業 ⒸJapan In-depth編集部
車両が取り除かれるといよいよ脱線復旧作業だ。脱線した車両を線路に戻すわけだが、なにしろ車両1台35トンもある。油圧で動く「ジャッキ」を使って車両を持ち上げるのだが、それが簡単ではない。
まずは地面を手作業で固め、ジャッキを置く土台である「ブリッジ」を車両の下に設置する。その上に車両を横送りするのに使う「ローラーキャリッジ」という機材が左右1台ずつセットされた。さらにその上に「ジャッキ」が置かれ、慎重に車両を持ち上げていく。ひとつのジャッキで26トンの重さに耐え、左右二つで車両の重さを支える。
▲写真 ブリッジの上に設置されたローラーキャリッジとジャッキ ⒸJapan In-depth編集部
ジャッキにより浮いた車体を慎重に横移動させ、ようやくレールに車輪が正確にセットされるのにかなり時間がかかった。
▲写真 レールにセットされた車輪 ⒸJapan In-depth編集部
事故列車が自力運転で移動した後もやることは多い。踏切警報機、踏切遮断機、発光信号機、踏切監視カメラや、保線・電気関係の復旧作業が粛々と行われた。
▲写真 車両に上り電線の復旧などを行う作業員 ⒸJapan In-depth編集部
竹谷英樹鉄道本部長は総評として、「自分たち一人一人の仕事の先にお客様の安全や安心、喜びがあるということを常に念頭に置いて、仕事に取り組むことが重要だ。想像力を働かせ、目的を達成するためには何が必要かを考える習慣をつけることで、仕事の質がさらに高まっていく。訓練の成果を生かし、部門を超えたつながりをさらに強固にして、全員が一致団結してこれからも安全で安心な輸送サービスを提供していこう」と述べた。
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