東京一極集中問題~総選挙で「消えた争点」③
Japan In-depth / 2024年10月26日 11時0分
■ ステップ2:東京の都市開発規制・国家戦略特区を停止
東京の集中を止めるのも必要だ。そこで行政ができることはたくさんある。東京の都市開発を規制するために動かないといけない。スイス再保険が「世界1危険」と評価する東京の再開発をますます進めてどうするのか、とういうことだ。実際、「国家戦略特区」として都市計画法等の特例など51もの都市再生プロジェクトが進められている。例えば、東京駅前の大規模地下バスターミナル、虎ノ門、泉岳寺、大手町、六本木などなど整備される。
【出典】Invest tokyo 「エリアマネジメントに係る道路法の特例」
特に、麻布台ヒルズなどは「国家戦略特区」で巨大な開発をしてきた。その後もビッグプロジェクトは進行中である。こうしたプロジェクトを今更停止するのは難しいところであるが、基準を設定して、休止・停止、予算減額することもやむを得ないだろう。
【出典】国土交通省都市局「令和6年度都市局関係予算概算要求概要」
予算のシフトに関しては、国土交通省都市局「令和6年度都市局関係予算概算要求概要」に出ている上記のようなプロジェクトの予算を減額していかなくてはいけない。そして、東京圏から23区を指定解除することなど、国家戦略特別区域法の中身の改正も必要だろう。そこは政治的決断が求められる。
■ ステップ3:地方創生、地方分権を進めていく
地方創生については、「デジタル田園都市構想」をさらに進化させる。デジタルインフラの整備に投資する、地方への本社機能移転企業は大幅減税、各種投資をシフトさせることが必要である。そして、なんといっても地方分権。連邦制、道州制の導入議論など、多極分散型の国づくりが必要だろう。官僚の抵抗も予想されるが、そこは決意をもって断行するしかない。
■ どのように実行するか?
筆者は東京一極集中の是正ができるという確信はほぼ持てない。 第一に、これまでうまくいかなかった政策をどのようにしてうまくできるのか。その知見や考え方が示されているとは思えないからだ。
第二に、抵抗勢力、いや利害関係者が多いからだ。都市圏の政治家・自治体、地主、不動産業、本社や工場を東京におく企業関係者、本社や設備を東京に置いた会社の幹部や家族、中央官僚・・・・そして東京都民の多く。こうした問題点に各党はどう向き合っているのだろうか。
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