フランスで急速に進む少子化の衝撃
Japan In-depth / 2024年11月18日 17時0分
Ulala(著述家)
「フランスUlalaの視点」
【まとめ】
・INSEEが2023年のフランスの正式な出生数を発表し、前年より6.6%減少した。
・その最大の要因として、出産適齢期の女性の減少や出産年齢の高齢化が挙げられる。
・マクロン大統領が 「人口の再軍備」 を呼び掛けたが、国会解散に伴い保留となっている。
11月14日、フランス国立統計経済研究所(INSEE)から、フランスの2023年の正式な出生数が発表された。それによれば、2023年にフランスで生まれた赤ちゃんの人数は67万7千800人で、2022年より6.6%減少したこととなる。これは、ベビーブーム(1946年〜1973年)が終わってから最も急激な減少であり、一時期出生数が伸びた2010年から20%近くも減少したこととなる。
■フランスの出生数、合計特殊出生率の現状
フランスは2010年をピークに、新型コロナウイルス感染症によってもたらされた外出禁止の影響で多少回復した2021年以外は、毎年出生数が減少してきた。しかし減少してきたとはいえ、2023年ほど減少したことは今までなかったのだ。実際、マヨット島を除くフランスでは、2010年からの年間減少率が2.6%を超えたことはなく、2010年から2022年までの平均年間変化率は-1.3%だった。このことからも、6.6%減少という数字がどれほど衝撃を与えたかを想像できるだろう。
さらに2024年も低迷したスタートとなった。1月から6月の6カ月 間を見ても出生数は32万6千000人強で、これは2023年の同期間と比べて2.4%減少している。
2024年6月の一 カ月間だけをみれば、出生数は2023年と比べて7.9%減少した。フランスのすべての地域で減少している。フランス本土で減少が一番少ないのはオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏で-2.6%。一番減少が多いのはノルマンディー地域圏の-14%。海外県ならびに海外地域圏では、減少が一番少ないのがグアドループで-11.9%。一番減少が多いのはギュイヤンヌの-20.1%となっている。
INSEEによれば、この傾向が続けば、出生数は2024年に年間最低値に達する可能性がある。また、同じくINSEEによれば、この出生率の低下の直接的原因は、出産適齢期の女性の減少によるものだが、それだけではなく合計特殊出生率の低下も原因となっているという。要するに、出産適齢期の女性の人数も少なくなっているが、その女性一人が生む子供の人数も減少しているということだ。
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