独裁より忖度が恐ろしい 「再トラ」ついに現実に その4
Japan In-depth / 2024年11月19日 15時0分
しかしながら前述のように、ポスト紙の経営権は今やベソス氏のもので、そのベソス氏は、かつてのトランプ大統領時代、公正な競争をしていない、と手厳しく攻撃されたことがある。今次「再トラ」となったら、そうした攻撃も再開されるのでは、と懸念したものと衆目が一致している。ベゾス氏自身はこの件について、
「新聞が特定の候補を支持することで、メディアの独立性が疑われるのを避けたかった」などと釈明しているが、これを額面通りに受け取ったメディア関係者など、まずいない。
いずれにせよ、当選するか否かも分からない候補者に対して、過剰なまでの「忖度」をしたということであれば、メディアも地に落ちたものだとしか言いようがない。
さらに度し難いのは、トランプ次期大統領の顔色をうかがうような態度が、わが国のメディアにまで伝播していることだ。週刊文春11月21日号に、こんな記事が載っていた。「小室圭さん大ピンチ!反トランプ団体に入っていた」と題するもので、秋篠宮家の長女・眞子さんの夫で、米国の大手法律事務所に籍を置く弁護士の小室氏(久しぶりに名前を聞いた笑)が、JACL=日系アメリカ人市民同盟という団体に所属していることが明らかになったと報じている。
どこが「反トランプ団体」なのかと言うと、2015年に共和党の(大統領候補)指名争いをしていた際、イスラム教徒の入国規制案を打ち出し、その前例として、第二次世界大戦中に日系人を強制収容所送りにしたことを肯定的に語った。これに対して反発する声明を出すなどしたからだそうだ。この団体に入ったことで、小室氏がなんらかの「ピンチ」に立たされるとしたら、それこそ由々しき事態ではないか。少なくとも日本人の立場からすれば、トランプ氏の発言こそ、見過ごされるべきではない。週刊文春の記事によれば、前述の抗議声明に対して、翌16年に就任したトランプ大統領は、意趣返しと考えたのか、強制収容の歴史保存代替への補助金を削減しようとしたとか。
こうしたことが、日本ではほとんど報道されず、政治かもジャーナリストも抗議の声さえ上げない、ということの方が、よほど「ピンチ」ではないのか。権力を監視する、という役割を放棄したどころか、権力におもねるようになったメディアには、政治や民主主義を語る資格はない。
その1, その2, その3 はこちらから
写真)ワシントン・ポストのオフィスの外写真撮影する「大統領の陰謀(ALL THE PRESIDENT'S MEN)」の監督とキャストメンバー (1976年 ワシントン)
出典)Silver Screen Collection / Getty Image
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トランプ氏の「粛清」人事はあるのか 個人的忠誠心が尺度、1期目の安全弁がない危うさ 「トランプ2・0」の衝撃⑤完
産経ニュース / 2024年11月12日 18時29分
-
民主党びいきの二大新聞はなぜハリス不支持となったのか
Japan In-depth / 2024年11月5日 12時4分
-
ワシントン・ポストは「確トラ」を認めたか…「お金配りおじさん」イーロン・マスクが支配する米大統領選の結末
プレジデントオンライン / 2024年11月3日 11時15分
-
WP紙、20万人超が購読解約 ハリス氏支持見送り受け=米報道
ロイター / 2024年10月29日 11時15分
-
ワシントン・ポスト支持表明せず ベゾス・オーナーの決定に波紋
共同通信 / 2024年10月26日 8時33分
ランキング
-
1「亡くなっても、言葉は残る」 谷川俊太郎さんと親交の詩人ら悼む声
毎日新聞 / 2024年11月19日 19時39分
-
2ほぼ全額を引き出したか…強盗や詐欺などの疑いで少年ら2人を再逮捕 江別市大学生暴行死事件
HTB北海道ニュース / 2024年11月19日 16時31分
-
3「事故現場にいた」事故時、車には4人と判明 高1男子が横転後に逃走 埼玉栄高校グラウンドで生徒が無免許運転し横転で男子生徒死亡事故
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月19日 15時56分
-
4斎藤知事 欠席の意向 次回の百条委の証人尋問 公務都合で
ABCニュース / 2024年11月19日 17時14分
-
5谷川さんを追悼、書店にコーナー ファン「寂しい」、各社で増刷も
共同通信 / 2024年11月19日 19時33分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください