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マクロン大統領、最後の切り札? バイル氏に託されたフランスの未来

Japan In-depth / 2024年12月16日 19時0分

マクロン大統領、最後の切り札? バイル氏に託されたフランスの未来


Ulala(著述家)


「フランスUlalaの視点」


【まとめ】


・フランスのバルニエ内閣が内閣不信任案で総辞職し、バイル氏が新首相に任命された。


・バイル氏は財政赤字縮小や不法入国者対策に取り組む必要がある。


・すでにフランス国民の61%がバイル氏を信頼しておらず、政治不信が広がっている。





フランスの議会下院にあたる国民議会において、12月4日、62年ぶりに内閣不信任案が可決された。9月に発足したバルニエ内閣はわずか2カ月半で総辞職に追い込まれたことになる。フランスでは、7月の国民議会の選挙で与党が過半数を占められず、左派や極右政党が躍進した厳しい政権運営が続いている上、首相も3回も変わる事態となっている。そしてついに、13日、エマニュエル・マクロン大統領は今年4人目の首相として中道政党「民主運動」のフランソワ・バイル氏を任命した。


バルニエ内閣が総辞職に追い込まれた原因は、財政赤字を縮小するために国の支出を減らすことをもりこんだ、社会保障に関する予算案を強行採択したためである。これに反発した野党が内閣不信任案を付けつけたのだ。この結果、2025年の予算案を今年末までに決めることも難しくなった。だが、このようなフランスの政治不安は国内の問題だけでは終わらず、国の信用にも大きくかかわってくる。現にムーディーズ・レーティングスは、「次期内閣が来年以降、財政赤字の規模を継続的に縮小できる可能性は、現在のところ非常に低い」と判断し、フランスの信用格付けを「Aa3」に引き下げたのだ。


現在、解決しなくてはいけない問題がすでに山積みであり、解決するためにかなり高度な政治手腕が求められている新首相のバイル氏。まずはいかに多くの議員から支持される予算案をまとめあげ、採択までこぎつけられるかが最優先課題となっている。


■ フランソワ・バイル氏とは、どんな人物か?


バイル氏は、シラク大統領だった時代の1993年に国民教育大臣に任命され、4年以上その職を務めたベテラン政治家であり、中道政党「民主運動」の創設者兼指導者だ。バルニエ氏が首相に就任した際、第5共和制で史上最高齢と言われたが、バイル氏もバルニエ氏と同じ73歳である。


「フランスの政治は長年にわたり、嘘と幻想、虚偽の約束、人為的な分裂によって腐敗してきた」と主張していたバイル氏。2012年には個人的にフランソワ・オランド大統領に投票すると決意し、ニコラ・サルコジ氏から遠ざかった。そして2017年の大統領選でマクロン氏への支持を表明。これがマクロン大統領誕生につながったともいえ、第一次マクロン政権では大臣にも就任した。


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