米抑止力の復活「2025年を占う!」国際情勢
Japan In-depth / 2024年12月30日 14時13分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
【まとめ】
・トランプ政権により米抑止力が復活、国際秩序の破壊を試みてきた専制勢力は後退。
・経済至上主義が現実に機能しないことが明白となる。
・国際変動にどう柔軟に対処できるか、日本の国家の根幹のあり方が問われる。
新しい年2025年の国際情勢はどう展開するのか。そして日本にとっての国際課題はどうなるのか。
世界の現実の動向にはもちろんカレンダー上の区分はないが、人間社会の生活の曲がり角というような意味で、ひとつの年の終わりに立って、次の年の眺望を考えることも人間の営みとして不自然ではないだろう。
2025年の世界での最大主役は疑いもなく1月20日にアメリカ合衆国第47代の大統領となるドナルド・トランプ氏であろう。アメリカ国民多数派の信託を民主的な選挙で獲得してホワイトハウスに戻るトランプ氏の新たな統治は文字通り、アメリカの内政を根幹から変え、国際情勢をも激変させる。
では新しい年の国際情勢はどうなるのか。
ごく簡単にいえば、トランプ次期政権による「力による平和」策の推進によるアメリカの抑止力の復活、そしてアメリカ主導の国際秩序の破壊を試みてきた専制勢力の後退が予測される。その攻守のせめぎあいの過程では戦争の危機ともよべる展開もあろう。だが基本はなお揺るぎなく強大な軍事力を保持するアメリカのトランプ政権がその抑止的な行使をためらわない選別的な介入の構えを明示することで反米勢力のこれまでの膨張傾向はかなりの程度、抑えられるだろう。
新年の世界情勢を便宜上 4つの具体的な柱に分けて、予測してみよう。
まず第一は冒頭に書いたようなアメリカの抑止力の復活である。
この傾向は「強いアメリカ」、「行動し、抑止するアメリカ」と評してもよい。アメリカの国際的な抑止力はこれまでの民主党バイデン政権では衰退の一途だった。国際協調とかグローバル化という標語の政策を優先したバイデン政権はアメリカ年来の「力による平和」という概念には背を向けてきた。その結果としての反米勢力によるウクライナ侵攻、イスラエル攻撃、さらには中国の軍事膨張、ひいてはアフガニスタンでのイスラム原理主義勢力の復活という出来事はアメリカの国際指導力の衰えと自由民主主義陣営の後退を印象づけた。
トランプ政権の再登場はこのアメリカの衰退を逆転する効用が期待される。トランプ政権は「アメリカ第一」の政策標語の下に対外的な軍事介入には慎重な姿勢を強調する。だがアメリカ国民の生命への危険、さらにはアメリカの国益の重大な侵害に対しては軍事的な対外介入を辞さないとも宣言する。選別的な軍事介入である。
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