トランプ新政権の日本への意味とは その1 日本側「識者」の誤認の危険性
Japan In-depth / 2025年1月5日 20時49分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・日本が同盟相手のアメリカの国のあり方を正確に把握できないのは深刻な事態。
・アメリカの分断の原因はオバマ政権の頃から顕著になったアメリカの「左傾化」にある。
・日本側の多くの識者は逆にトランプ大統領の登場がアメリカの分断を生んだと主張している。
第2期のドナルド・トランプ政権が1月20日にいよいよ登場する。この共和党保守派の大統領の内政、外交の施策は民主党のバイデン政権とは大幅に異なることはすでに明白である。日本にとってとくに気がかりなのは、その外交政策であり、世界戦略であることは当然だといえる。ではその政策や戦略は日本に対してどんな意味を持つのか。どんな波及効果があるのか。そうした点を中心に次期トランプ政権のあり方について多角的に報告したい。
この課題を私は月刊雑誌「明日への選択」の発行人、岡田邦宏氏によるインタビューを受け、一問一答の形で率直に語った。その結果は同誌の2024年12月号に掲載された。その内容を一部、書き直して、このコラムで紹介することとする。
――2024年のアメリカ大統領選は「大接戦」というのが大方の予想でしたが、結果はトランプ氏の「圧勝」でした。その意味をどう考えますか。
古森義久 トランプ前大統領は一貫してハリス副大統領に明確な差をつけ、ペンシべニア州など激戦州と言われた7州も次々に制しました。しかも全米の総得票数でハリス氏を数百万票も引き離し、共和党候補としては20年ぶりに得票数でも勝利しました。そのためハリス陣営は早々に敗北を認め、日米のメディアが予想した「大接戦」はまったく外れることになりました。
同時に行われた議会選挙でも、共和党は上院で過半数を取り戻し、下院でも僅差ながらこれまでの多数派の地位を保ちました。
この大統領選ではハリス陣営から「トランプは独裁者だ」、「民主主義の敵だ、ウソつき」だという批判が投げかけられました。もちろんそうした批判に根拠はなく、政敵同士の攻撃でした。しかし、いわゆる分断というか深刻な対立が目立ったことは確かです。トランプが勝ったことでそうした対立が変わったわけではないにしても、トランプに投票した米国民の多数派はこの種の批判を排したわけです。8000万近くのトランプ支持票の重みは絶大で、これが民主主義政治の結果と言えます。アメリカ国民の信託をトランプが得たといえます。
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