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早大「内ゲバ事件」描く、映画「ゲバルトの杜」 池上彰、内田樹、佐藤優さんら登場

J-CASTトレンド / 2024年4月21日 12時0分

「ゲバルトの杜 彼は早稲田で死んだ」

約半世紀前に早稲田大学内で起きた「内ゲバ事件」をテーマにした映画「ゲバルトの杜 彼は早稲田で死んだ」が完成、2024年5月末に劇場公開される。第53回大宅壮一ノンフィクション賞(2022年)を受賞した元朝日新聞記者・樋田毅さんの『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』(文藝春秋)が原案になっている。

革マル派に支配されていた

事件は1972年11月8日、早稲田大学構内で起きた。文学部2年生の川口大三郎さんが自治会を握る革マル派の学生たちに拉致され、殺された。革マル派は、川口さんを対立する中核派の学生と疑い、凄惨なリンチを加えていた。

多くの一般学生は、早稲田祭の2日後に起きたこの事件に衝撃を受け、革マル派を糾弾する集会が続いた。数千人規模の学生が集まった。川口さんの友人たちは、川口さんが部落問題などに関心は持っているものの、中核派ではないということをよく知っていた。革マル派はいったん謝罪の姿勢を示したが、やがて巻き返し、キャンパスは再び革マル派に支配される――というのが当時の状況だ。

この事件は、そのころ同じキャンパスで学んだ多くの早大生には忘れられないものだった。村上春樹さんは、『海辺のカフカ』の中で川口さんをモデルにした人物を登場させている。直木賞作家の松井今朝子さんの『師父の遺言』にも関連の記述がある。ともに事件当時、文学部に在籍していた。

証言と短編ドラマで構成

映画は、殺された川口大三郎さんを知る当時の関係者や、ほぼ同世代の評論家、池上彰さんや内田樹さん、共産主義運動に詳しい佐藤優さんら知識人たちの証言と、早大出身の劇作家、鴻上尚史さんによる短編ドラマ部分で構成されている。

監督は「三里塚に生きる」「きみが死んだあとで」など「大衆闘争」に関する映画で知られる代島治彦さん。上映時間134分。

映画の原案となったノンフィクション『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』を書いた樋田毅さんは事件当時、早稲田大学文学部1年生。殺された川口さんの1年後輩に当たる。直接の知り合いではなかったが、語学のクラスが同じだったこともあって、生前の川口さんを間近で見かけたこともあった。

もう一つの「理不尽な殺人事件」

事件が起きるまで、樋田さんは、政治活動とはほぼ無縁だった。体育会漕艇部に属し、新宿のマグドナルドでバイトをしていた。しかし、理不尽なリンチ殺人事件が樋田さんの正義感に火をつけた。あっという間に、革マル派を糾弾する一般学生側のリーダー格になり、奔走。一時は革マル派自治会執行部をリコールするところまで追い込んだ。

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