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3億人に電力を、アフリカ開発銀行が世界銀行と協力(アフリカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月24日 0時45分

アフリカ開発銀行(AfDB)は4月17日、世界銀行とアフリカにおいて、2030年までに3億人に電力を供給する新たなパートナーシップを報告した。世界銀行は分散型(注)再生可能エネルギーシステムまたは配電網を通じて2億5,000万人に電力を供給する取り組みを行い、AfDBがさらに5,000万人を支援する。

現在、アフリカでは6億人の人々が電力にアクセスできておらず、医療、教育、生産性、デジタル包摂性、雇用創出に大きな障壁となっている。2024年1月に国際エネルギー機関(IEA)が発表した「電力2024」によると、世界の2024年から2026年にかけての総電力需要の年間平均成長率が3.4%であるのに対して、アフリカでは4%と予測されており、2017年から2023年にかけての2倍となっている。一方で、30年前は1人当たりの電力消費量がインドや東南アジアより上回っていたものの、人口増加のペースが電力供給のペースを上回ってため、2023年のアフリカの1人当たり電力消費量はインドの半分で、東南アジアより70%低くなっている。IEAは今後のアフリカの電力需要の3分2を再生可能エネルギー、残りを天然ガスで賄うとしている。

このパートナーシップは世界銀行とAfDBの決意の表れとした上で、世界銀行グループのアジャイ・バンガ総裁は「電力へのアクセスはあらゆる開発の基盤で、経済成長に欠かせない要素であり、大規模な雇用創出に不可欠だ。実現には政策や国際開発金融機関による資金、民間部門への投資が必要だ」と述べた。

2億5,000万人に電力を供給するには、300億ドルの公共投資が必要であるため、世界銀行の低所得国向けの優遇融資機関である国際開発協会(IDA)が極めて重要になるとしている。さらに、各国政府は、民間投資を誘致する政策を導入し、公共事業を改革し、財政的に健全かつ効率的に貧困層を保護する料金制度を導入する必要があるとしている。

世界銀行は、2億5,000万人に再生可能エネルギーによる電力供給を実現させるためだけでも90億ドル相当の民間投資の機会があり、さらにその先には経済成長の原動力となる送電網に接続された再生可能エネルギーにも大きな投資機会が生まれるとしている。

(注)比較的小規模で地域内に分散しているエネルギーの総称。従来の電力会社による大規模集中型と相対的となる。

(加藤皓人)

(アフリカ)

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