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ラマポーザ大統領、民主化30年を意識した施政方針演説、経済的課題に言及(南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月6日 0時20分

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は2月8日、ケープタウンで2024年の施政方針演説(SONA)を行った。演説は民主化30年を意識したもので、政府の今までの取り組みや成果に焦点を当てつつ、南アが直面している課題への今後の取り組みに言及した。長年の課題の貧困や若年層の高失業率、汚職、教育格差、治安、土地改革のほか、経済に関わる主なポイントとして次のことについて述べた。

1. 電力不足の改善
2. 鉄道、港湾の非効率なシステムを改善
3. 国民健康保険(NHI)の段階的な実施
4. 気候変動対策向け基金の設立

電力不足への対応については、7,500メガワット(MW)を超える再エネプロジェクトの新規調達が行われ、120以上の民間プロジェクトが進行しているとした。また、税制上の優遇措置により、この1年間で全国の屋根に設置された太陽光発電パネルの容量は2倍以上に増加したと説明した。

物流の問題では、運輸公社のトランスネットがダーバン港のターミナル拡張・改善の取り組みを続けており、2023年11月中旬の時点で、60隻以上あった同港の接岸待ち船舶数は1月末には12隻程度に減少したと説明した。また、民間事業者が鉄道事業に参加できるよう、貨物鉄道システムの見直しを図っていると述べた。

国民健康保険(NHI)については、資金調達などから段階的に実施していく予定としたが、具体的な実施時期には言及しなかった。

地球温暖化による影響で、西ケープ州では山火事、クワズールー・ナタール州では洪水、東ケープ州では干ばつなどの大きな被害が発生している。それらに対処するための基金の設立を打ち出した。

パレスチナ問題にも言及し、国際司法裁判所の判決を歓迎した上で、「あらゆる側の民間人の殺害を非難し、紛争に関わる当事者に対し、2国間の和平プロセスにコミットするよう求める」と述べた。

2024年は総選挙が予定されているため、施政方針演説には例年以上に国民の関心は高く、国営放送SABCnewsのユーチューブでは、生放送で3万3,000人が視聴した。一方で、演説内容については、最大野党の民主同盟(DA)は「GDP比6%の財政赤字の中で、現実とかけ離れた内容だった」と評した。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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