1~2月の港湾貨物取扱量は1.0%増、年次教書演説でも北極海航路整備をアピール(ロシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月26日 1時20分
ロシア商業海港協会の発表(3月15日)によると、2024年1~2月のロシア海港での貨物取扱量は前年同月比1.0%増の1億3,960万トンだった(添付資料表参照)。ウラジーミル・プーチン大統領は2月29日、年次教書演説を行い、その中で輸送・交通についても言及。特に北極海航路については、開発の成果をアピールした。
貨物取扱量を品目別で前年同月と比較すると、コンテナ貨物(16.9%増)、穀物(18.3%増)、鉱物質肥料(39.6%増)、液化ガス(5.2%増)、食品(20.9%増)が伸びた。一方で、石炭(9.2%減)、鉄鋼(2.9%減)、鉱石(3.0%減)、石油製品(15.8%減)が減少した。海港所在海域別では、カスピ海域が5割増加し、アゾフ・黒海域が3.5%増、極東海域が3.0%減、バルト海域が4.0%減、北極海域が4.5%減だった。
2月単月でみると、ロシア海港の貨物取扱量は前年同月比5%増の6,860万トンとなった。海域別でみると、カスピ海域、アゾフ・黒海域、極東海域における貨物取扱量はそれぞれ前年同月比で48%、18%、3%増加し、バルト海域、北極海域においてはそれぞれ4%減少した(「インフラ・ニュース」3月14日)。
ロシア政府が注力する北極海航路について、プーチン大統領は2月29日の年次教書演説でも言及。2023年の北極海航路を通じて輸送された貨物の取扱量は3,600万トンに達し、ソ連時代の取扱量の5倍以上に増えたとしてその成果をアピールした上で、今後さらに同海域での貨物取扱量を増やす意欲を明らかにした。加えて、2024年初めに起工された新型のLK-60Ya級原子力砕氷船「レニングラード」(2024年2月24日記事参照)や、2025年起工予定の同型艦「スターリングラード」(注)についても言及し、北極海航路整備における取り組みについてアピールした。
(注)スターリングラードはボルゴグラードの旧称。
(後藤大輝)
(ロシア)
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