米EVメーカーのテスラ、2025年前半に新モデル生産開始を発表(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月25日 13時45分
米国の電気自動車(EV)メーカーのテスラ(本社:テキサス州オースティン)は4月23日、2024年第1四半期(1~3月)の決算を発表した。売上高は前年同期比8.7%減の213億ドル、純利益は55.1%減の11億ドルだった。売上高の減少は、新型コロナウイルス禍の影響で生産と販売が落ち込んだ後の2020年第3四半期(7~9月)以降で初めてとなる。米国金融データ会社ファクトセットのアナリストによる売上高予測は222億ドルだった(「マーケットウォッチ」4月23日)。売上高を部門別にみると、自動車事業が12.9%減と全体を押し下げた一方で、エネルギー生成・貯蔵事業は6.9%増、サービスほかは24.6%増となった。
第1四半期の同社の世界販売台数は、前年同期比8.5%減の38万6,810台だった。販売減の背景には、紅海での物流の混乱のほか、米国カリフォルニア州フリーモント工場が最新「モデル3」への移行期であることや、ドイツのベルリン工場近くでの火災(注)による工場閉鎖で、生産が滞ったことなどがあるとみている。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は電話会見で「世界の(バッテリー式)EVの採用率が圧迫され、多くの自動車メーカーがEVから撤退し、プラグインハイブリッド車(PHEV)を追求しているが、最終的にはEVが市場を支配する」と言及。当初の予定を前倒しし、2025年の早い時期に既存の生産ラインを活用した低価格帯を含む新モデルの生産を開始するほか、2024年8月に自動運転車の「ロボタクシー」を公開すると発表した。新モデル生産計画の発表を受け、同社株価は時間外取引で12.5%上昇した(ロイター4月23日)。
世界での販売が鈍化傾向にある中、同社は複数回にわたる車両価格の割引を実施しており、また、世界規模で従業員の10%を解雇すると発表した。幹部の辞職なども相次いで報じられている。他方、ベイバブ・テネジャ最高財務責任者(CFO)は「企業が時間の経過とともに成長するにつれて、ある程度の余剰人員や特定分野での取り組みの重複が生じる」「成長する木には剪定(せんてい)が必要だ。それが終わると、将来に対処するためにより強く、より強靭(きょうじん)になる。この時期を乗り越えて明るい未来に到達する必要がある」と前向きな姿勢を見せている。
(注)3月に送電設備火災による停電で操業が一時停止した(2024年3月18日記事参照)。
(大原典子)
(米国)
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