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連邦政府、未来産業と自国での生産を支援する法律策定へ(オーストラリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月22日 1時10分

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は4月11日、ブリスベンのクイーンズランド記者クラブで行ったスピーチで、国内の新産業を支援する「フューチャー・メード・イン・オーストラリア法」を新しく策定すると発表した。

新しい法律は国益の観点から、資源を輸出して他国で付加価値が付けられた製品を高い値段で輸入するというこれまでの経済構造から脱却し、クリーンエネルギー、技術革新に資する新産業を育成し、付加価値のある製品を国内で生産していく狙いがある。そのために、国家再生基金(2023年6月8日記事参照)など既存の支援策と新規の政策を組み合わせた包括的な支援パッケージを策定する。具体的には、政府による融資や投資優遇制度を通じて新産業を興し、その国内生産を支援していく予定だ。アルバニージー首相は4月11日付の公共放送ABCのインタビューで、新産業の例として、オーストラリアの豊富な再生可能エネルギーや鉱物資源を利用して、グリーン水素、グリーンアルミニウム、グリーン鉄鋼、蓄電池を挙げ、その国内生産を支援していく可能性に言及した。また、雇用の観点からは、「ネット・ゼロ・エコノミー・オーソリティー」という政府機関を設立し、石炭・ガス火力発電所など二酸化炭素(CO2)排出が多い産業で雇用されている労働者を、脱炭素社会への移行に沿って新しい産業で雇用していくための支援策を行うとしている。

アルバニージー首相は11日のスピーチで、米国ではインフレ削減法(IRA)やCHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)、EUでは経済安全保障戦略、日本では経済安全保障推進法が制定されていることを取り上げ、これらの国々でも国家の主権や国益を経済面から確保するため、自国内の産業基盤、生産拠点へ投資を行っていると指摘、「フューチャー・メード・イン・オーストラリア法」はそれらと同様の政策であることを示した。首相は「これは古い保護主義や孤立主義ではなく、新しい競争だ」と述べた。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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