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米国政府、TSMCに66億ドルの補助金支給を決定 2nm採用の第3工場建設も計画

マイナビニュース / 2024年4月9日 14時37分

画像提供:マイナビニュース

米国政府は、TSMC子会社であるTSMC Arizonaに対して、CHIPS法に基づき直接資金(補助金)最大66億ドル(約1兆円)を支給することを決めたと発表した。

この66億ドルを受給する条件としてTSMCは、米国アリゾナ州フェニックスに建設中の4nmプロセスならびに3nmプロセスに対応する2工場に加えて3番目となる2nm超のプロセス対応工場を2020年代末までに同州に建設することを米国政府に約束した。66億ドルの補助金は、これら米国3工場建設のための同社の650億ドル(約9兆7500億円。1ドル=150円で計算)の投資を支援するものとなる。これまでは2工場に400億ドルの投資としていたため、第3工場建設に250億ドル(約3兆7500億円)を追加投資することとなる。
補助金のほか、50億ドルの融資や税額控除も予定

この66億ドルの直接資金に加えて、CHIPSプログラム事務局は約50億ドル(約7500億円)の融資(CHIPS法によって提供される750億ドルの融資権限の一部)をTSMC Arizonaに提供する予定としているほか、TSMC側からも米国財務省の投資税額控除を申請する予定としており、その額は適格資本支出の最大25%となる見込みだという。

米国政府は、こうしたTSMC Arizonaへの投資を通じて、将来米国の経済を支え、AI、IoT、家電製品、自動車、、HPC業界などの急成長を促進するチップの信頼できる国内供給源を確保することで、米国経済と国家安全保障を強化する上で重要な一歩を踏み出すことになるとしている。TSMC Arizonaはアリゾナ州に大規模な最先端クラスタ形成を促し、今後10年間で約6000人の直接的な製造業の雇用、延べ2万人超の建設関連雇用および数万人の間接雇用を創出し、最先端のプロセス技術を米国に提供するという。
米国は2030年までに世界の半導体生産能力の2割を確保へ

TSMC Arizonaの3工場がフル稼働すると、5G/6Gスマートフォン(スマホ)、自動運転車、AIデータセンターサーバなどに向けた最先端チップを製造することになる。TSMC Arizonaは、2025年前半までに同社にとって米国として初めてとなる4nmプロセスでの大量生産を開始する予定で、こうしたTSMCのアリゾナへの投資はじめ、IntelやSamsungなど各社の米国への投資のおかげで、2030年までに世界の最先端チップの約20%を生産することができるようになるとCHIPSプログラム事務局は指摘している。

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