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2024年度歳出法案の半数が成立、政府閉鎖はいったん回避(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月11日 12時0分

米国連邦議会上院は3月8日、同日がつなぎ予算の期限となっていた6分野(注1)の歳出法案を束ねた「Consolidated Appropriations Act of 2024(法案番号:H.R.4366)」を賛成75、反対22で可決した。本法案は、3月3日に上下院の議会指導部で合意され(2024年3月5日記事参照)、3月6日に下院を賛成339、反対85で通過していたもの。3月9日にはバイデン大統領が署名したことで法案は成立した。2024年度予算に含まれる12分野のうち半分が5カ月遅れで成立したことで、政府閉鎖はいったん回避された。

上院での採決にあたっては、共和党の中から、議会の議席を分配する際に参照する人口に不法移民を算定しない条項など、いくつかの点について修正案を審議するよう求める意見が出ていた。また、民主党の中からも、議会指導部による合意の中で共和党が喧伝(けんでん)していた退役軍人の銃所持の権利擁護に関して、銃による暴力や死亡、自殺の増加につながると批判する意見が出ていた。このように、法案可決までには2党間の対立がみられたが、いずれも可決にこぎつけた(政治専門紙「ポリティコ」3月8日)。

3月22日を期限とする残り6分野(注2)の法案については、共和党保守派が、歳出法案の中に中絶手術を受けた軍人の旅費を国防総省が払い戻さないようにする条項や、アレハンドロ・マヨルカス国土安全保障長官の給与をゼロにする条項(注3)を盛り込もうとするなど、個別のテーマについて依然攻防が繰り広げられているもようだ(議会専門誌「ザ・ヒル」3月9日)。もっとも、2024年度予算の総額については与野党間ですでにおおむねの水準で合意を見ており、パティ・マレー上院歳出委員長(民主党、ワシントン州)、スーザン・コリンズ副委員長(共和党、メーン州)をはじめとする歳出委員会の関係者は、こうしたいくつかの問題があることは認めつつも、期限までに法案をまとめることに向けて順調に進んでいると述べている(ポリティコ3月9日)。

(注1)農業、エネルギー・水、軍事建設・退役軍人、輸送・住宅・都市開発、商務・司法・科学、内務・環境の6分野。

(注2)金融・サービス、労働・保健・教育、国防、国土安全、立法、外交の6分野。

(注3)共和党議員は2月、マヨルカス長官を弾劾訴追する決議案を2度連邦議会下院に提出し、いずれも否決されている(2024年2月8日記事2024年2月16日記事参照)。

(加藤翔一)

(米国)

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