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スロバキア大統領選の第2回投票で、連立与党のペレグリニ氏が勝利(スロバキア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月10日 13時35分

スロバキア大統領選挙の第2回投票が4月6日に実施され、連立与党(注)の中道左派「声-社会民主主義(Hlas-SD)」党首で、現国会議長のペテル・ペレグリニ氏が元外相のイワン・コルチョク氏(無所属)を破って当選した。

大統領選は2回投票制で、第1回投票で得票率50%超の候補者がいた場合はその候補者が当選、いない場合には得票率上位2候補の間で第2回投票が行われる。3月23日に実施された第1回投票では、コルチョク氏が42.5%、ペレグリニ氏が37.0%の得票率で第2回投票に進出した。第2回投票では、ペレグリニ氏が53.1%を獲得し、46.9%のコルチョク氏に逆転勝利した。

今回の選挙は、社会民主主義とともにナショナリズムを旗印とする連立内閣の一角を占めるHlas-SDの党首ペレグリニ氏と、最大野党で親EUのリベラル政党「プログレッシブ・スロバキア(PS)」が支持するコルチョク氏との対決として注目された(2023年10月4日記事参照2023年11月24日記事参照)。投票率は第1回が51.9%、第2回が61.1%で、どちらも前回(2019年)を大幅に上回り、スロバキアで初めて大統領直接選挙が行われた1999年に次ぐ高さだった。

ペレグリニ氏(48歳)はマテイ・ベル大学(バンスカー・ビストリツァ市)経済学部、コシツェ工科大学経済学部卒。第2次ロベルト・フィツォ内閣(2012~2016年)で2014~2015年に教育・科学・研究・スポーツ相、2015~2016年に国会議長、第3次フィツォ内閣解散後の2018~2020年には首相を務めた。2020年に「方向党-社会民主主義(Smer-SD)」から離党、Hlas-SDを結成し、党首に就任している。

2023年11月に発足したフィツォ内閣は、施政方針で「スロバキア最優先」を掲げてナショナリズムを前面に打ち出している。ロシアのウクライナ侵攻に関しては、ウクライナへの人道支援は継続するが、政府レベルでの軍事支援は停止すると主張している。ペレグリニ氏は当選後のテレビ・インタビューで、大統領として政府の施策を支持する方針を明らかにしている。

大統領の任期は5年。憲法が定める主な権限には、閣僚の任免、議会の招集・解散、法案署名や議会への差し戻し、恩赦の発令などがある(恩赦の発令には首相の同意が必要)。憲法は同一人物が2期連続まで大統領に選出されることを認めているが、現職のズザナ・チャプトバー大統領(元PS副党首)は立候補しなかった。

(注)中道左派「方向党-社会民主主義(Smer-SD)」を中心に、中道左派「声-社会民主主義(Hlas-SD)」と中道右派「自由と連帯(SaS)」との3党連立内閣。

(中川圭子)

(スロバキア)

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