生成AIは選挙に悪影響を及ぼすのか、近年は悪用が当たり前に
マイナビニュース / 2024年4月15日 11時51分
Check Point Software Technologiesはこのほど、「Beyond Imagining – How AI is actively used in election campaigns around the world - Check Point Blog」において、AI(Artificial Intelligence)が世界中の選挙活動にどのように悪用され、どのような影響を及ぼしたか、その実例とともに解説した。
○2024年は選挙イヤー、AIの悪用が懸念されている
2024年は世界人口の約半数に影響する50カ国で、大統領選など重要な選挙が予定されている。そのため、世界中の民主主義にとって重要な一年になるとみられている。これまでに台湾、インドネシア、パキスタンなどで選挙が実施され、今後は米国、インド、メキシコ、欧州議会、南アフリカなどで実施が予定されている。
選挙では投票当日までの期間、有権者の投票行動に影響を与える情報が積極的に流布される傾向にある。その内容が真実であれば問題はないが、偽情報の拡散を試みる人物が存在し、度々問題となっている。この問題はインターネットの普及に伴い影響範囲が広がっており、偽情報の拡散速度も上昇している。しかしながら、多くの有権者はこのような状況を憂いており、正しい情報提供を試みる善意の知識人によりインターネット上では情報戦が繰り広げられている。
このような情勢の中、生成AIが登場したことで新しい不安要素が加わった。生成AIは比較的容易にもっともらしい偽情報を生成することが可能であり、文章、画像、音声、動画などさまざまな形で偽情報を発信することができる。そのため、生成AIを使用した偽情報(ディープフェイク)が選挙に悪影響を与えることを懸念する声が高まっており、Check Pointは実際に確認された事例があるとしてその詳細を解説している。
○生成AIの選挙における悪用事例 - フランス、スロバキア
Check Pointは過去の選挙で確認された生成AIの悪用事例を複数取り上げて解説している。それらの概要は次のとおり。
○フランス上院選挙
2023年9月24日、フランスで上院の選挙が行われた。この選挙ではAIを使用した事案が1件確認されている。フランスの政党「ヨーロッパ・エコロジー・エガリテ」に所属する議員がAIを使用して選挙ポスターを美しく加工しすぎたとして非難されている。
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